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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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【1】

 成田新東京国際空港。
 巨大な機体の大轟音が相も変わらず交錯し、
多種雑多な人々が行き交う空港ロビー。 
 通常有名芸能人の渡航や海外の映画俳優、
ミュージシャン、アスリートの訪日など特別な事例以外では
他者の存在を余り意識はしないが今現在、
空港内の一角で異様に人目を惹きつける一団が在った。
 女性のように細い躰のラインに密着(フィット)した、
裾の長いまるでバレルコートのような学生服を着た中性的な風貌の美男子。
 近年ハリウッドでリメイクされた、某アドベンチャー映画の冒険家を想わせる
服装にその鍛え上げられた肉体を包んだ初老の男性。
 その小柄で可憐な風貌には不釣り合いな、黒寂びた色彩の黒衣を身に纏った
凛々しき双眸の美少女。
 そして、マキシコートのような特製の学生服の襟元に長い黄金の鎖を垂れ下げ、
その勇壮なライトグリーンの瞳に強い意志の光を宿らせる、
これまで訪日したどの海外スターにも勝り得る、
桁外れの美貌を携えた無頼の貴公子。
 その4者(正確には5)の圧倒的な存在感。
 行き交う人々の群も、己の意志に関わらず想わず見遣ってしまう。
 その黙していても異様に目立つ特異な雰囲気の一団は、
現在初老の男性が若者達に何かを説明をしているようだった。
「取りあえずはまず、君達に “コレ” を渡しておこう」
 エジプト・カイロ行きの搭乗手続きを済ませ、
発着時間まで時間を潰すコトとなった一行は
空港に備え付けのソファーに腰を下ろし各々の佇みでジョセフの言葉を聞く。
 ジョセフが年季の入った大型の旅行鞄から取り出したモノ。
 ソレは様々な色彩の「携 帯 電 話(スマート・フォン)」だった。
 予備も兼ねてのコトなのか、随分沢山ある。 
「コレからは、いつDIOからの刺客が襲ってくるかわからん。
故に、可能な限り一人で行動するのはさけ、
自分がいま、どこにいるのか、
定期的に連絡を取り合い互いの位置を常に把握しておく必要がある」
 穏やかだが重い威厳を含んだ声で、ジョセフは目の前に座る若者達にそう告げる。
「まぁ、いいけどよ。常に懐に入れてると、
戦いの時にブッ壊れねーか? コレ」
 ジョセフの言葉に応じながら、無頼の貴公子は何となく摘み上げた
ミッドナイト・ブルーのスマホをしげしげと眺める。
 その孫の問いに対し、実の祖父はフフンと誇らしげに鼻を鳴らす。
「その点は心配いらん。
“コレ” はSPW財団情報技術部が総力を挙げて鋭意開発したモノ。
財団独自の特殊技術に加え軍の最新鋭の機器も組み込んである特別製だ。
故にその強度は折り紙付きで例え装甲車が轢いても壊れンし、
防水性も完璧。しかも人工衛星を介してこの世界のどこにいても
互いの位置の探査が可能とい
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