暁 〜小説投稿サイト〜
FATE/friction blade 試作品?
相克する正義
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クッサイ理由でせいぜい自分を慰めてろ―――それで納得出来るってのならな。」

「………」

黒衣の男の鼻で笑う言葉に苦虫をかみつぶしたような表情になる褐色の男。その男に大太刀の切っ先を突き付けて黒衣の男は叫ぶ。

「いいか、貴様が昔何を犠牲したのかは知らんし関係ない。だが、そこから目をそらすのに(おれ)の女を使ってるんじゃないっ!!ぶち殺すぞ。」
「ではどうするというのだ!彼女は世界を救いたいのではなく、貴様を救いたいと言って聖杯の器としての道を選んだのだぞ!!」

「だからどうした!!(おれ)(おれ)の女を犠牲にした世界なんぞ要らん!!そんなゴミを押し付けるな!」

二人の男は相いれれない、致命的に歯車が噛み合わない。
相手の意志と誇りを尊重して二人で戦い、そして別れて行った褐色の肌の男。自分たちが選べなかった選択肢を平然と選ぶ目の前の男が―――衛宮士郎は心底憎らしかった。


「しかし、どうするというのだ。彼女が聖杯にならない場合、世界はあれに蹂躙されやがて人類は滅び去るだろう。彼女が犠牲になろうがなるまいが結果は変わらない。ならば世界が残るだけそちらのほうが建設的ではないのかな?」
「だったら、(おれ)の女を生贄にしようって戯けた連中をぶち殺して、その次に世界を救ってやるだけだ。」

「言ってくれるな―――ならば、世界を相手にするという意味を教えてやろう。」

“体は剣で出来ている”

その呪文を衛宮士郎が口にした瞬間、世界が揺らぐのを感じた。

“血潮は鉄で心は硝子、幾たびの戦場を超えて不敗”

「やらせんっ!!」

黒衣の男が地をける、その体がまるで放たれた矢のように褐色の肌の男、衛宮士郎へと向かう。
しかし、彼の背後に現れたいくつもの剣がその切っ先を黒衣の男へと向けるとまるでミサイルのように発射される。

「ちぃっ!!」 

舌打ちしつつ大太刀を振るい、飛来する剣を打ち落とし、弾き飛ばし、往なしていく。しかし、それによって足を止められてしまう。

“ただの一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もない”

衛宮士郎が両手の双剣を投擲する。ブーメランのように高速回転する双剣はまるで相互に不可思議な引力が働いているような円軌道を描きながら輪を狭め黒衣の男を襲撃する。

黒衣の男は前後左右から高速回転しつつ迫る陰陽の双剣、それを――――

「こんなもので……っ!!」


大太刀を大地に突き立てる。そして空手のまま自身を回転跳躍させ―――その刹那に、陰陽の雌雄一対の剣を掴み取っていた。

”干将莫邪”

剣を掴み取ったことで黒衣の男の脳内を情報が錯綜する。干将莫邪、中華圏の宝具。ある刀匠が鉄を食らう兎の腸から取り出した鉄を使って作り上げた双剣。
己が妻を人
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