8部分:第七話
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紫の魔女より』
手紙はそれで終わっていた。読み終わった華奈子達は皆驚きの表情であった。
「どうする?」
まずは美樹が他の四人に尋ねた。
「これ大変なことよ。私達の学校の校旗を盗もうなんて」
「かといって警察にいってもね。何か信用してくれなさそう」
「子供の言うことだからね。どうする?」
「どうするって決まってるじゃない」
華奈子が強い声で皆に言った。
「売られた喧嘩よ。買わなくてどうするのよ」
「華奈子ちゃん、男の子じゃないんだから」
「男の子も女の子も関係ないわよ。挑戦状よ、これ」
春奈に対してそう返す。
「引き下がっちゃ駄目よ。皆はどう思う」
「私は華奈子ちゃんに賛成するわ」
まず梨花が言った。
「校旗盗まれちゃうちの学校も恥ずかしいしね」
「あれでもないと寂しいしね」
美樹も頷いた。
「私も。それに喧嘩は売られたら買えって、いつも姉ちゃんに言われたし」
赤音もだ。残るは春奈だけである。
「春奈ちゃんはどうするの?」
四人は彼女に尋ねてきた。
「わたし?」
「ええ。どうするの?行くも行かないも自由よ」
「行くわ」
意を決した顔で頷いた。
「喧嘩とかは嫌いだけど。わたし達の学校のことだから。行きましょ」
「これで決まりね。じゃあ明日の九時に学校で」
「うん!」
五人は頷き合ってその場を後にした。後には先生だけが残った。
「あの、皆さん授業は」
だが皆もう授業のことは忘れていた。先生はそれを見て仕方無いな、という顔をした。
「まあいいですね。明日は特別授業がありますし」
にこりと笑ってそう言った。こんな時でも落ち着いた先生であった。
第七話 完
2005・6・2
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