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牛女
第四章

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「逃げな!」
「体当たり受けたら大怪我やすまんで!」
「はよ逃げな!」
 三人は必死に駆けて逃げる、時折後ろを振り向きながら。牛女は相変わらず凄まじいスピードで突進している。
 三人共それぞれ足を取られたり疲れて遅れそうになるがその都度だった。
 他の二人がだ、その一人をすぐに手に取って言った。
「遅れたらあかん!」
「諦めたらそれで負けや!」
「牛女の体当たり受けるで!」
「大怪我どころやないで!」
 こう言ってそしてだ、仲間を助けつつだ。
 牛女から必死に逃げた、法善寺から道頓堀、そして難波のあちこちを逃げ回った。
 気付けば三人は日本橋のところにいた、メイド喫茶やパソコンショップのあるところだ。三人の左手にはこの界隈では有名な漫画やライトノベルを主に扱っているので有名な本屋があった。
 苺はそこでやっと我に返ってだ、莉世と薫がいることを確認して二人に言った。
「もう追いかけてきてないみたいやで」
「あっ、ほんまや」
「もうおらへんわ」
 二人も周りを見回していう、そして。
 莉世が本屋に気付いてだ、二人に言った。
「まだ来るかもわからんし」
「そやな、本屋さんの中入ってな」
「ほとぼり冷めるまで隠れてよか」 
 苺も薫も莉世の言葉に頷いた、それで三人で店に入ると。
「いらっしゃいませ」
 店に入ったその瞬間に牛女がいた、その姿を見て三人は遂に糸が切れてその場で凄まじい絶叫を挙げて気絶してしまった、だが。
「何だこの娘達」
「店に入っていきなり気絶したぞ」
「うわ、凄い形相だな」
「何かメデューサ見たみたいだな」
 店員も客達もだ、その三人を見ていぶかしんだ。そのうえで三人を囲んで頬をぱんぱんと軽くやって意識を回復させにかかった。三人は程なく意識を回復してことなきを得たが。
 三人の女の子がある本屋の前で気絶した話は難波でちょっとした話題になり何があったんだという話になった。幸いその三人が苺達とは誰も知らずそんな三人の女の子がいるという噂、都市伝説となっただけだった。だが。
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