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不死者の滅竜魔導士
第四話;幻竜バルバスク:
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「私は、ウエンディやガジル達と同じ、滅竜魔導士だ」

「・・・滅竜魔導士・・・」
ぼそっ、とエルザが呟き、エレンの右腕を見る。
灰色のモヤが、エレンの右腕を彷徨うように漂っていた。
「・・・な、なぁ。お前、どんな竜に育てられたんだ?」
「幻竜“バルバスク”。そんじょそこらの竜とは訳が違う」
エレンはそう言って、右腕を真っすぐ一振りした。
すると、漂っていたモヤは、消えるようにして無くなった。
「・・・っ、そのバルバスクってさ、今どうしてるかわかるか?」
「知る訳なかろう」
ナツの言葉に、ほぼ即答でエレンはそう答えた。
「私は丁度900年前にバルバスクの下を去った。故に、それ以降は奴の事は全くわからない」
「・・・そ、か・・・」
エレンの言葉に、ナツはがっかりしたように俯いた。
「・・・滅竜魔導士なら、あからさまに態度に出すな。私は寝る」
エレンはそう言うと、椅子から立ち上がって自分の部屋へと足を運んだ。
その後ろ姿を見つめながら、ナツは深いため息をついた。




「あースッキリしたぁ!あんたも入ってくれば?」
シャワーから上がったばかりのルーシィが、笑顔でエレンに声をかけた。
「・・・後で入る」
エレンはそれだけ言うと、ベランダに出て夜空を見上げた。
ベランダの朱色のライトが、エレンの肌を褐色に見せる。
「・・・あんた、900年も生きてきたの?」
「年齢については話すなと言った筈だが」
「ご、ごめん!そうだったね・・・」
「・・・」
「・・・あの、さ、あんた、家族は?」
そう尋ねた瞬間、エレンがバッと後ろを振り返る。
ルーシィがビクッと肩を震わせると、エレンは俯き加減に口を開いた。
「・・・父と母。それと兄。皆死んだ」
「そう、なんだ・・・。私はお父さんとお母さんがいたんだけど、お父さんはこの前死んじゃったんだ」
笑ってそう言うと、エレンがルーシィの顔を見やった。
「・・・死んだのか・・・」
「うん。・・・側にもいられなかった。酷い娘だよね、ホント」
ルーシィがそう言うと、エレンは首を横に振った。
「お前はいい娘だったのだろう。話していてわかる」
「え?」
「お前は話していて、父親思いだったのだろうと感じる」
「・・・ありがとう。あんたのお父さんってどんな人だったの?」
「・・・父は、文武両道で母をとても愛していたし、母にとても愛されていた。子の私が言うのもあれだが、少し親バカな所もあってな。兄や私が怪我をしたり病気になったりすると、仕事をほったらかして飛んで来ていた」
「・・・エレンも、お父さん思いだったんだね」
ルーシィはニッコリと微笑んでそう言った。
すると、エレンは照れくさそうな顔をして、ガシガシと自分の頭をかいた。
「・・・そんな事言われたのは初めてや
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