暁 〜小説投稿サイト〜
魔女に乾杯!
5部分:第四話
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第四話

第四話 先生
 華奈子達の先生はちょっと変わった先生、うっかりさんでぼんやりしたところのある先生だ。
 今田先生という。町では評判の魔法の先生で美人としても知られている。ちょっと口が大きいが顔も整っていて背も高い。そしてプロポーションもいい。声はまるで子供のように可愛い。結婚してもう小学生の女の子がいるがとてもそうには見えない。まだ大学卒業したてといっても通用する程である。
 頭もよくて顔もいい。才色兼備だがおまけに性格もいい。華奈子達にとってはとても優しい先生だ。しかし人間というのは必ず欠点があるものである。
「皆さんお早うございます」
 教室に先生が入って来た。華奈子達は五人横一列に座っているがそれを聞いて不思議そうな顔をした。
「先生」
「はい」
 白い魔女の服を着た先生は華奈子の声に顔を向けた。先生は白魔術が得意なのである。
「もうお昼ですけど」
「あら」
 先生はそれを聞いて思わず声をあげた。
「すいません。じゃあこんにちは」
「はい、こんにちは」
 挨拶がやり直された。こうしたことはしょっちゅうである。
 他にも色々ある。何でもないのにこけたりパジャマで教室にやって来たこともある。とにかくぼんやりした先生であった。これはもう赤音に匹敵する程であった。
「もしかして親戚とかじゃないよね」
 華奈子達にそう尋ねられたこともある。
「違うよお」
「けれどやってることがそっくりよ。ぼんやりしてるし」
「私ぼんやりしてないもん」
「いや、それでも一緒だから。やってること」
 周囲の評価はそうであった。それでも魔法の先生をやれるのが凄いところであった。これには秘密があった。
 この先生は天才だったのだ。魔法の天才である。魔法を使わせたら右に出る者は少なくともこの町では一人もいない程であったのだ。
「次はこうしますね」
 華奈子達の前で実践しながら説明する。今はゴーレムの召還についてである。
「そうしたら完成です」
 すると今まで単なる泥の塊であったものが人の形になった。そして先生の横に立った。
「これでゴーレムです。後は動かすだけです。えいっ」
 念じる。するとそれだけでゴーレムが動きだした。まるで人間のように普通に動いている。
 一見すると簡単そうだが実はそうではない。こうなるまでには相当の勉強が必要なのである。
 それをこの先生は容易に行っていた。これができるのは日本でもそうはいないというのに。
「すごおい・・・・・・」
 皆それを見て素直に感嘆の言葉を述べた。
「ゴーレムをあんな簡単に」
「わかりましたか?要は心です」
「こころ」
「そう、心です」
 先生は笑顔でそう答えた。
「心が一番大事なのですよ、魔法には」
「そうなんですか」
「はい。このゴーレム
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ