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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
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 さっさとカイトは、教室に引っ込んでいき、この修羅場から逃げ出す事を成功してカイトは安堵していたのは言うまでも無く……、実は 安堵をしていたのは カイトだけじゃなかった。実は くるむも同じ気持ちだったのだ。

「(よっ、よかった……。だって、魅惑眼(チャーム)の効かない彼がいたら失敗してしまうかもしれない………、い、いや 失敗じゃない、かな?)」

 正直な所、くるむは 1人ずつ、1人ずつ 攻略? をしていくつもりだった。
 一番最初に狙っていたのはカイトなのだが……、くるむの魅惑眼(チャーム)が通用しなかった事、そして 何よりも カイトの事を少なからず知った為――後の本命として カイトの事は本気で落とす? つもりだった。
 
 だからこそ、つくねとカイト、その2人同時の登場自体は全く予想してなかった、そして 同時攻略は不可能だと常々思っていたから。

 数秒動くのが遅れて、くるむは気を取り直して。

「あーーー! つくねくんだーーー♪」

 まずは、と言う事で、早速行動開始。くるむは、勢いよく抱き着いて、つくねに自慢の胸を押し付けた。

「うわーーーーー なんで!? なんで、くるむさんが!?? ま 待ってーーオレはモカさんに謝りに……」

 つくねは、必死に逃げようとするのだが……、そこは悲しきかな、男の性。
 普通の、健全な男の子が、女の子に、それも可愛くて とても大きな胸で抱擁されたその時は、色々と、身体に変化(・・)があったとしても、不思議ではないし、それが自然な事なのである。

 だが、それは つくねにとっては仕方ない、と言われても、モカにとっては関係ない。

 つくね自身が、デレデレと、ニヤニヤと、緩み切った表情で言われても、全く説得力は無いし、神経を逆なでするだけなので……。

「何よ…… 人が…… 心配してるのに…… うれしそーな… 顔して……」

 モカは、じぃ っとつくねの顔を、眼を睨んでいた。

 ………つくねは、ただの人間だが、感じる事が出来る。そのモカの凄まじい妖気(オーラ)がはっきりと見えた気がした。力を封印されている状態にも関わらず、怒りを具現化したモカ自身もある意味では大した物、と言えるが……。

「(モッモカさん! 怒ってるーーー! メチャ怒ってる!!)」

 つくねは、口も聞けない程、モカの圧力に委縮してしまうのだった。


 そして、その圧倒的な殺気は この一帯に広がっていき――扉を隔てているとはいえ、ちゃちな木製扉では、心許なく 教室内部でも十分過ぎる程伝わってきた。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……、と教室が震えている? いや 学園そのものが震えているのではないか? と思える程の鳴動を受け……。

「うおぁっ!!」

 眠ってい
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