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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#24
戦慄の暗殺者] 〜Final Prayer〜
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【1】



「オッッッッッラァァァァァァァァァァァァ――――――――ッッッッ!!!!」
「無駄だァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――ッッッッ!!!!」
 響き渡る数多の斬吼。
 踊り狂う幾多の火走り。
 ソレらを次々に生み出す焔人が二人。
 激戦の残光。
 死闘の飛沫(しぶき)
(勝負が……尽かない……ッッ!!)
 もう何合目か解らなくなった炎刃の斬り結びから距離を取ったシャナは、
瓦礫に足裏を滑らせながらその呼吸を3秒で戻す。
「どうした? 息が上がっているぞ! マジシャンズッ!」
 傷ついても揺るがないその耽美的美貌に微かな露を浮かべ、
フリアグネは不敵な微笑を浮かべる。
 勝利の女神が天空で吊す天秤は、少しずつ己に傾きつつあった。
 武力、精神力、能力共に互角ならば、
最終的には最も原始的な肉体の勝負になる。
 先刻自分の最大焔儀を受けたダメージは、
幾ら精神の加護が在ろうと完治には程遠い。
 加えてこちらは体力的に勝る男、
幾らフレイムヘイズであろうとも 「生物」 で在るならば、
人の形容(カタチ)を持って存在している以上
この原初的な法則(ルール)からは逃れられない。
 加えて未だ使っていない無数の 「宝具」 も手中にある。
 そろそろ斬撃戦に目が慣れきった炎髪の仔獅子に、
銃と剣との複合攻撃を仕掛けてやろうかと純白の長衣
“ホワイトブレス” に収納されているフレイムヘイズ完殺の魔銃
『トリガーハッピー』 の銃身を細い指先でつ、と撫ぜる。
 必勝の手札(カード)は、今や全て自分の手の内に在った。
(……ッッ!!)
 そして、そのフリアグネが気づいている事を当然シャナも察知していた。
“このまま長期戦になれば勝ち目はない” と。
 でも、たった一つだけ 「手」 が残されていた。
 でも、その 「手」 は。
 奥歯をギリッと食いしばるシャナの胸元で厳かに声があがった。
「一時 「退く」 か? 
燐子の包囲網が無くなった今、ここより撤退するのは容易い。
彼奴(あやつ)と合流し体勢を立て直すのだ」 
「ダメッ!」
 戦闘に於いては一番合理的で正しいアラストールの提案を
シャナは即座に()退(しりぞ)けた。 
「むう……」
 普段、殆ど自分に逆らった事のない少女の明確な拒絶に
アラストールは少々意外そうな声を漏らす。
「ソレは、出来ない。
ソレだけは、“しちゃいけない気がするの”
ゴメン、アラストール」
「う、む……」
 少女の言葉の意図を悟ったアラストールはそう一言だけ漏らし、
再び押し黙る。
 額から、全身から流れる汗と満身創痍、
疲労困憊で震える躰をシャナはなんとか意志の力のみで抑えつけ、
歯を食いしばりなが
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