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魔女に乾杯!
38部分:第三十七話

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第三十七話

                  第三十七話   先生の家で
「うわあ、凄いねえ」
 華奈子は上から先生の家を見てまず驚きの声をあげた。
「こんな大きなおうちそうそうないよ」
「先生のおうちってこの町じゃ有名なお金持ちだからね」
 美樹がそれに頷いた。
「おうちも大きいのよね」
「おうちっていうよりお屋敷よね」
 春奈が軽く突っ込みを入れた。
「ここまで大きいと」
「そうね」
 梨花が同意する。
「こんな大きなのはおうちじゃないわ。お屋敷よ」
「それでこれからどうするの?」
 赤音が他の四人に尋ねた。
「どうやって先生のおうちに入るの?」
「さて」
 華奈子は首を傾げさせた。
「どうしようか」
「って華奈子ちゃん何も考えてないの?」
「いやあ、来たら何とかなるって思って」
「あっきれた」
「まあ華奈子ちゃんらしいって言えばそれまでだけど」
「けれどどうにかしなくちゃいけないのはあるのよね」
 梨花が言った。
「さて、どうしようか」
「とりあえずは上からゆっくりと眺めてみる?」
 春奈がここで提案した。
「そうねえ」
「とりあえず箒にも乗ってるし何かあればすぐに動けるからそうしよっか」
「そうね」
 四人はそれに同意した。こうしてまとまって動きながら先生の屋敷を上から眺めていた。
「それにしてもホンットに大きいよね」
 またしても華奈子の言葉であった。
「お池まであるし。すっごい豪勢」
「華奈子ちゃん家ってお池なかったっけ」
「ないよ。あったらそこにお魚入れたくなるわよね」
「ええ」
「それをライゾウが狙うから。作りたくても作れないの」
「猫ちゃんのいるおうちは大変ね」
「春奈ちゃんだけか、お池あるのって」
「そうね」
 春奈はそれに頷いた。
「私リャンとチーがいるから」
「ああ、蛙と亀の」
「ええ」
「だから必要なのね」
「二匹共私の側にいることが多いけれどね」
「そういえばそうね」
「あまり必要ないかな、って思うけれどお兄ちゃんがいるって言って」
「しっかりしてるよね、春奈ちゃんのお兄ちゃん」
「あんなお兄ちゃん欲しいなあ、ホント」
「ありがと」
 そんな話をしながら屋敷を見ていた。そこで何かが見えた。
「ん、あれ」
「どうしたの?」
 皆華奈子が指差した方を見た。そこに何かがいた。

第三十七話   完


                  2005・8・31



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