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魔女に乾杯!
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第二十二話

                  第二十二話 春奈の勉強
 紫の魔女との二回目の戦いの後五人はまた魔法の勉強をさらにレベルアップさせることにした。特に春奈はそれに熱心
であった。
「ねえ春奈ちゃん」
 彼女のペットであり使い魔でもあるカエルのリャンが話し掛けてきた。今彼女達は春奈の家の裏の池の側にいた。そこにはもう一匹の使い魔であるカメのイーもいた。
「何?」
「最近やけに魔法の練習してない?」
「そうかなあ」
「いや、絶対そうだよ」 
 イーもそれに答えた。
「この前の紫の魔女との戦いから。前よりもずっと身を入れてるじゃない」
「わたしはそんなつもりないけれど」
「けれど実際にそうだし。やっぱり何か思うところがあったの?」
「ないと答えたらどうなのかなあ」
 彼女は首を傾げながらそう答えた。
「イーちゃんもリャンちゃんも信じる?」
「ちょっと信じられないな」
「今の春奈ちゃん見てると」
「やっぱり」
 それには春奈も薄々ながらわかってはいた。だがあえて問うたのである。
「何かね、あの紫の魔女って強くて。このままじゃ今度は勝てないと思って」
「そんなに強いの」
「ってイーちゃん」
 リャンがイーを呆れた顔で見た。
「あんたこの前の学校での戦いの時いたじゃないか」
「そんなの忘れてたよ」
「これだからねえ」
 リャンはそれを聞いて呆れた顔のまま声を漏らした。
「使い魔だってのに。何か春奈ちゃんの足手まといになってないかな」
「ううん、それはないよ」
 しかし春奈は笑顔でそれを否定した。
「イーちゃんもリャンちゃんも頼りにしてるから。頼むわね」
「そう言ってもらえるとなあ」
「僕達も頑張るか」
「そうよね、三人で頑張ろう。そして何か新しい魔法を身に着けられたら」
「それもいいけれどな」
 ここで後ろから男の子の声がした。中学生位の声であった。
「あ、お兄ちゃん」
 春奈はそれを聞いて笑顔で後ろを振り向いた。するとそこには彼の兄である夏雄がいた。おっとりした外見の妹とは違い
背が高くすらっとした美少年である。黒いジーンズが茶色の髪の細い顔によく似合っていた。
「そろそろおやつにしないか?クッキーあるけど食べるか」
「クッキー!?ひょっとしてお兄ちゃんが焼いてくれたの?」
 実は彼女の兄はお菓子作りの名人なのである。春奈は兄の作ったお菓子が大好物である。
「ああ。紅茶も入れたぞ。シナモンティーだ。どうだ、一緒に」
「うん、今行きます」
 春奈は魔法の勉強を止め急いで家の中に入って行った。それを見てイーとリャンはいささか呆れた顔を見合わせてこう
囁き合った。
「魔法よりもお兄ちゃんみたいんだね」
「うん」
 流石の魔女もお兄ちゃんには勝てない、いや
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