暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十四話 仕掛けるよりも収集作業の方が大変なのです。
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 ヴァンフリート星域――。

 グリンメルスハウゼン艦隊は猛進していた。ボロ船艦隊、アヒル艦隊、居眠りグリンメルスなど散々に言われたのが嘘のような動きっぷりである。彼らは小惑星帯をものともせず、砲撃で吹き飛ばしていき、たちまちのうちに第5艦隊の側面及び後背に襲い掛かり、猛烈な射撃を浴びせかけた。


 第五艦隊 旗艦 リオ・グランデ艦橋――。

 嵐のような主砲斉射が第五艦隊を襲っていた。旗艦の周りにも被害が及び、護衛艦が爆発四散した衝撃が旗艦にまで届いていた。

「ううむ、予想よりもずっと早くきおったか、敵の援軍が」

 ビュコックは唸り声を上げたが、まだ余裕があると見え、狼狽したり、必要以上に声を上げたりはしなかった。さすがは老練の提督なのねと、この時ばかりはシャロンも感心している様子である。

「いかがいたしましょうか?」
「参謀長、艦隊を後退できるか?」
「わが艦隊から見て、敵は11時から8時方向に展開して攻撃を仕掛けてきております。5時方向への退却が望ましいかと」
「ですが」

 と、シャロンは口を出した。

「そうなれば、正面展開している第十艦隊が突出して孤立してしまいます」
「うむ、敵軍の勢いからして、この第五艦隊を突破後、第十艦隊を襲うか、わが軍の後背に出ようとしておるのじゃろう。そこでじゃ、いったん後退したと見せかけ、なおも突出する敵軍がわが軍全面の射程に入り次第、再び側面攻撃をかけるのじゃ。今の状況では正面の敵を突破できることはできなんだでな」

 正面の敵の守備は硬い。ここに手間取っていれば、横から痛撃を受け、ズタズタにされてしまう。ビュコック中将の言うことはもっともだった。

「わかりました。准将も異存はないかな?」
「ありませんわ」

 では、ただちに、と参謀長は艦隊各指揮官に伝達を行い始めた。

 敵が引いている、とフィオーナは戦況の動きを見ていち早く察知した。しかも引いていると言っても、単なる後退ではなく、わが軍が前進をつづけるのを見越しての事であると見破った。敵はこちらが射程に入り次第側面攻撃をかける様子である。

「参謀長閣下」
「なんだ!?」

 参謀長が形相凄まじく怒鳴る。彼にしてみれば、皇帝陛下自らが声をかけてきたことにより、一刻も早く敵を撃破して見せない事にはおさまらないと焦りまくっていたのであった。何しろ自分の首がかかっているのである。

「敵が後退します。ですがこれは明らかにわが艦隊に対する側面攻撃のためです。いったん攻勢をゆるめるか、敵の後退に合わせ、こちらも敵艦隊に向き合う形で戦闘を継続なさるべきでしょう」
「何を言うか!?それでは敵に余裕を与えてしまうだけではないか!!!」

 いや、敵はまだ全然余裕だと思いますが、とフィオーナ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ