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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十三話 鈍足の艦隊だって時には役に立つのです。
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トリなんぞこの艦橋にいないではないか!!!しっかりせい!!」
「違うよ!!!バカ!!!!」

 という声を通信手はこらえ、やっとの思いで叫んだ。

「こ、皇帝陛下からの直接通信ですっ!!!」

 その言葉に艦橋がざわめいた。

「な、なんだと!?確かなのか!!??」

 参謀長が裏返った声で叫んだ。

「間違いありません!!!前代未聞ですが、陛下専用の通信コードからです!!!」

 通信コードは無数に設定されていて、それがあればどこから来たのかがすぐにわかるのである。そして、そのコードによれば、なんと皇帝陛下自らが艦隊に通信をしてきたというのである。参謀長は青くなり、参謀、副官はガタガタと震え、兵卒は卒倒せんばかりであったが、フィオーナとリューネブルク、そして当のグリンメルスハウゼンは顔色一つ変えていなかった。

『おぉ、グリンメルスハウゼン。息災かの?』

 皇帝陛下のご尊顔がモニターに映る。

「おぉ、陛下。臣はここにおりますぞ」

 なんともピント外れな回答に、一同と息を吐く思いであったが、皇帝陛下は特に気にもせず、艦隊のことを聞いていた。それに対してグリンメルスハウゼンが、参謀長がかわるがわる応えていく。この間5分であったが、フィオーナにはその5分間が1時間ほどに感じていた。

『時にグリンメルスハウゼン、ビリデルリング元帥からは何も言ってこなんだか?』
「はっ、まだ何も言うてはおりませぬでな。こうして待っておりますのじゃ」

 ビリデルリング元帥やミュッケンベルガー大将が聞いたら、血管を破裂しそうな回答をのんびりとグリンメルスハウゼンはする。だが、フリードリヒ4世はそれに対しても穏やかに、

『のう、グリンメルスハウゼン。今卿等から送られてきた戦況を見るに、反乱軍の一部が我が方を圧迫して居るではないか。今そこの側面後背を突けば明らかにわが軍が有利になるというに。こうした時には卿らは司令官の意志を確認せず、速やかに前進してこれを討つべきではないのかの』

 ぎょっとした顔を参謀長以下がした。総司令官からの命令云々の話ではない。ずっとずっとエライ皇帝陛下御自らがグリンメルスハウゼンに「早く動け!!」と尻を叩きに来たと直感したからである。下手をすれば職務怠慢で処罰されかねないと参謀長以下は居ても立っても居られない思いだった。
 こんな時、人間は目の前の事象だけを見てしまう。焦りに焦った時にはなおさらである。だから彼らは「どうして皇帝陛下直々に!?」という根本的な疑問を考えることをスルーしてしまった。もっともそれこそがアレーナ&フィオーナの狙いとするところであったが。

「おぉ、そうでありますな。儂としたことがうっかりとしておりましたですじゃ」
『うむ。グリンメルスハウゼン、頼むぞ。今
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