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第四十二話 どうしてヴァンフリート4=2なのですか?
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残念ながらこの速度が手一杯です」

 航海長が申し訳なさそうに言う。

「これでは帝国軍本隊と離れ、我々が孤立してしまうではないか!!」

 そうはいったって、オメェ、この戦艦の機関がボロッチいことくらい知ってるだろう!!と傍らにいる機関長はそう思っていたが、相手は参謀長。しかも階級は上。なので黙っているしかなかった。

「ふがいない」

 参謀長がつぶやいた時だ。


どぉかぁぁ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!


 という腹に響く音、そして凄まじい震動が艦を揺らした。参謀長はバランスを失って、航海長に抱き付き、参謀、副官たちは地面にボーリングのピンの様に転がり、機関長は鼻から地べたにスライディングを決めた。
 フィオーナとリューネブルクはバランスを崩しかけたが、無様に倒れなかったのはさすがであった。だが、そんなことは誰も見ていない。一斉に水鳥の羽ばたくがごとく皆が皆喚きだしたからである。
唯一グリンメルスハウゼン子爵だけが、この大地震のさなか、何事もなかったかのように椅子に座ってうたたねをしている。相当な神経だ。

「どどどどどうしたァ!?」
「何が起こった!?」
「敵か!?敵襲か!?」
「違う!!そんなはずはない!!」
「とにかく状況把握だ!状況確認急げ!!各部損害状況を知らせい!!」

 参謀長と参謀、副官たちが慌てふためいて走り回り、各部の被害状況を知らせろと叫びまくる。その結果、とんでもないことが発覚した。

 なんと機関部がどうしたはずみかオーバーロードし、メインエンジンの主要バイパスが吹っ飛んでしまっていたのだ。幸いそこは立ち入りできないところだったし、付近に居住区画もなかったので、けが人も死者もいなかったが、大問題が起こった。それは旗艦が航行できなくなった、ということである。正確に言えば、補助動力を使えば「のろのろ運転」はできる。だが、とても帝国軍本隊に追いつくことなどできやしない。

「機関部は何をやっていたのだ!!!」

 参謀長が額に青筋を何本も浮かべて、平蜘蛛の様に平伏している機関長に怒鳴りまくるが、どうしようもない。

 あまりの醜態ぶりに唖然としているフィオーナが、ふとリューネブルク准将と目が合った。と、准将がかすかに目を細めてきた。なるほど!!!瞬時にしてフィオーナはこの騒動の原因をさとったが、しかし一歩間違えれば、艦ごと吹っ飛んでいたところだ。よくそんなクレイジーなことができたものだと、あきれもし、感心もしていた。しかし、原作ではローゼンリッターの元隊長というだけくらいしか知らないのだが、いつの間にそんな専門知識を身に着けていたのだろうとフィオーナは疑問に思っていた。

「これこれ、そう怒るでない」

 のんびりした声が参謀長たちの動きを止めた。


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