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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#10
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王U 〜All Dead〜
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【1】

 シャナは、刹那に戦闘の思考を開始し撃つべき術を展開した。
「はぁッッ!!」
 刺突の構えで足裏を爆散させ、紅蓮の炎に覆われた刃で
真正面から高速でDIOに向けて突貫する。
「マヌケがッ!! そんなねむっちまいそうなスッとろい動きで!
このDIOが倒せるかァァァァァ―――――――――――!!」
 邪悪な声で猛りながらDIOは距離、スピード、タイミング共に完璧な、
芸術的とも呼べる神速のクロス・カウンターをシャナの顔面に向けて撃ち出す。
「UUUUUUUUUUURYAAAAAAAAAAA―――――――ッッ!!」
 全体重を乗せた輝く氷拳が命中する寸前に、
シャナは身体を捻って突進する力の矛先を換え
唸りを上げて迫る一撃を躱した。
「ッッ!!」
 躰の前を、冷気の塊が弧を描き狂暴な速度で駆け抜けていく。
 余波で、黒衣に白い結晶が張り付いた。
「やあぁぁぁぁッッ!!」
 そのまま勢いを殺さずに体幹を軸にして中空で躰を反転させたシャナは、
生まれた遠心力で周囲の空気を巻き込みながらDIOの後頭部に向けて
渦旋(かせん)の一撃を振り放った。
「フンッ!」
 DIOはソレを鼻で笑うとガゼルのように素早く膝を落とし、
ボクシングのダッキングの要領でその一撃を交わす。
 相当訓練された動きらしく一切のムラがなく、空間にブレた残像が映った。
 着地とほぼ同時にシャナは贄殿遮那を黒衣の内側に押し込むと
片膝を落として居合いの構えを執り、宛ら抜刀術の如く黒衣の裡から
真紅の一撃を繰り出した。
「せぇいッッ!!」
「無駄無駄無駄ァァァァァァァァァ!!」
 DIOは余裕の表情を崩さず上体だけを逸らした
スウェーバックで空間を疾走する紅蓮の刃を避けた。
 刹那に駆け抜けた刀身が、ガオッと炎の軌跡を空間に描く。
 しかしシャナは既にその動きを読んでいた。
 空を斬った刀身が、軽やかに反転した手首の動きで再び戻ってくる。
 その軌道は完全にDIOの死角。
 狙いは最初からこの一撃。
『十字斬り』
 しかしその刀身は、DIOの肩口に呑み込まれる寸前でピタリと止まった。
 DIOが凍った指先で紅蓮の刃を受け止めている。
 その指の隙間で熱気と冷気が輝きながら互いに(くすぶ)っていた。
「無駄だ」
 刃には視線を送らず傲慢な笑みを浮かべてDIOはまっすぐ自分を見ていた。
 直感で見切ったとは想えない。
 おそらくDIOにそうしたように、自分の動きもまた読まれていたのだろう。
 刀身に冷気を送り込まれる前にシャナは刃を回転させて振り解き、
再びバックステップで距離を取った。
(小細工は通用しないか。流石に 『統世王』 の真名()は伊達じゃないわね。
力もスゴイけど頭のキレが半端じゃ
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