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ハイスクールD×D 英雄を求めて
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の心が叫んでいる。

「許せ、ロセ。世界は動乱期を迎えようとしている。久々の動乱期だ。あちこちで不満が大爆発する。それらが全て片付いたら、オレは再び戻ってくる」

リンが見たこともないルーンを刻んでいる。

「これがロセにしてやれる最大限の祝福だ」

私の意識が遠のいていく。ああ、私を置いてリンは行ってしまう。せめて、これだけは

「愛、してま、す」

「すまんな。今は答えてやれない」




side ゲンドゥル


夜になってもロセが帰ってこない。遅くなるときは必ず連絡を入れてきたあのロセが。森のどこかへと入っているのは分かっている。だが、後を追いかけさせてもロセを見失ってしまう。何らかの魔術による結界で隠蔽されているのはわかったが、それだけだった。その結界が急に消え去った。戦えるものが臨戦態勢で森の入り口に集まる。精霊たちが入り口から奥へ奥へと向かっていくからだ。精霊の申し子とも言えるものがいる。誰もが緊張しておった。そして、それが現れる。

全てが青色で固められた服に深くかぶったフードの奥からはみ出している青い髪。対照的に目立つ赤い槍を背負う男がロセを抱きかかえて現れる。

「この子の家族はいるか?」

若い男の声が響く。儂が一歩前に出ると、男が歩み寄ってくる。意識がないロセは見たこともない銀色の槍を抱きしめている。

「この子から、俺の記憶を封印してある。再び俺と出会うか、こいつを使えば封印は溶ける」

そう言って男がロセと共にペンダントを渡そうとして、ロセが服を握り絞めていることに気づき、優しく丁寧に指を一本ずつ緩めていく。それだけで大体の関係がわかった。記憶を封印して去ろうとする理由も。

「こいつをかけてやれば封印は解ける」

「なぜ、そんなことを?」

「色々あるんだよ。騒がせたようですまないな。森はもう元に戻っている。俺はここから離れる」

男はそのまま踵を返して去ろうとする。

「待て!!」

「何か用か?」

男は歩みを止めずに背中越しに返事を返してきた。

「この子が、孫のロセが色々世話になったようじゃな。魔術が使えるようになったのも、お主のおかげじゃろう。ありがとう」

「気にするな。人助けは趣味みたいなものだ。俺も出来る限りの事をしてやったから、もう大丈夫のはずだ」

「そうかい。それでもありがとう」

男は軽く手をあげるだけでそのまま去っていった。あれは、いい男だ。同時にひどい男でもある。巷で言われる『英雄』共よりも英雄に近い魂を持つ男だ。過去の英雄たちの中に紛れておっても、違和感などない。だから、いい男だ。同時に、英雄は女を泣かせてばかりだ。あの男もロセが泣くと分かって記憶を封印した。泣かせたくないから。ロセも難儀な男に惚
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