機動戦艦ナデシコ
1386話
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……なるほど。あの見知らぬ新型のエステバリスのパイロットは誰かと思っていたら、アカツキだったのか。
「お前、馬鹿か?」
『ちょっ、いきなりそれかい!? 幾ら何でも酷いんじゃないかな!』
「いや、馬鹿だろ。大体お前はネルガルの会長だろ? だってのに、何だって戦場に出てるんだよ」
『ぐっ、いや、けどナデシコの戦力が少なかったのは事実だし、それを思えば僕が出るのも仕方ないだろ? アクセルが来てくれるって話だったけど、いつになるかわからなかったし』
「それでもお前が死ねばサワガサキが喜ぶだけだぞ?」
『それは……確かにそうだけど、それを言うならアクセルだって戦場に出てるじゃないか』
「俺とお前は違うだろ」
俺の場合は自分で言うのもなんだが、非常に高い操縦技術を持っている。
同時に、もし……本当に万が一ニーズヘッグが撃破されたとしても、物理攻撃無効である俺がこの世界で負傷をするという事は有り得ない。
そんな俺に比べると、アカツキは普通の人間でしかない。
もしエステバリスが撃墜されようものなら、死んでしまうだろう。
そしてアカツキが死んでしまった場合、俺が……正確にはエザリアが考えているこれからのシャドウミラーの指針が全て瓦解する可能性があった。
いやまぁ、別にその件を前もってアカツキに言っていた訳でもないし、そう考えれば出撃していてもおかしくないのだろうが。
それでもアカツキの立場として、戦場に出るのは無謀を通り押して自殺行為としか言えない。
……それが幾らエステバリスの操縦技術に自信があったとしても、だ。
『そうは言ってもね。そもそも戦力が足りない以上、出来る者がやるしかないってのも事実なんだよ』
「……まぁ、それは否定しない。ナデシコの戦力でも連合軍の軍人相手だと色々と勝手が違っただろうしな」
『……アクセル。お前は普通に連合軍の機体を撃破してたけど、平気なのか?』
映像モニタに映し出されたのは、リョーコだ。
どこか深刻な表情を俺へと向けている。
「ああ」
『私は、木星蜥蜴と戦う為にネルガルに入って、エステバリスに乗ってたんだ。なのに、連合軍と戦えだなんて……何でお前は平気なんだよ』
「そうだな、俺が元々は軍人だったという話は以前しただろ? その時に俺は幾つもの戦場を潜り抜けてきている。だからこそ……いや、今はこれ以上の話は止めておくか。話そうとすれば長くなるし」
『……分かった』
リョーコもそれ以上は聞いてくるような事はせず、大人しく引き上げる。
何だか随分と元気がなかったな。
いや、現状を考えれば当然か。
「取りあえず俺もナデシコに入りたいと思うから、乗艦許可をくれるか」
『いやん、アキトったら。駄目よそんなの……そういうのは誰もいない場所で……え?
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