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呪いの指輪
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第一章

                          呪いの指輪
 ヒルダは幼い頃にだ。母にこう教えられた。
「ライン河に?」
「そう、この河にね」
 彼女はこの時母と共に大河の前にいた。その河がだ。
 ライン河だ。河には多くの船が行き交い対岸が霞む感じだ。そこまで大きな河だった。
 その河を見ながらだ。母は娘に話すのだった。
「指輪があるのよ」
「この河にいる妖精さん達の指輪なのね」
「ラインの乙女達ね」
 彼女達の指輪、それがあるというのだ。
「それは時々ラインの乙女達の手を離れてね」
「それでなの」
「そう、時々河の岸辺に転がってるの」
「指輪が」
「赤と金色の混ざった色のとても奇麗な指輪よ」
 それが乙女達の指輪だというのだ。
「それが河の岸辺にあったりするのよ」
「そんなに奇麗な指輪なの?」
「とてもね。ただね」
「ただ?」
「その指輪はラインの乙女達の指輪で人間の指輪じゃないの」
「妖精さん達の指輪なのね」
「そうよ」
 母はこうヒルダに話すのだった。
「だから。若し見つけてもそれでも絶対に拾って自分のものにしたら駄目なの」
「若し自分のものにしたらどうなるの?」
「少しの間だけお金持ちになったり偉い人になれるけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「指輪には呪いがあってね」
「その呪いでなの?」
「そう。その時はいいけれど」
「後になってなの」
「指輪の呪いでその人は破滅するのよ」
 このことをだ。母は娘にだ。確かに言ったのだった。
 それからだ。彼女は娘にこんなことも言った。
「どうしてそうなのかっていうとね」
「指輪に呪いがあること?」
「そう。それはね。昔指輪はラインの乙女達の手から悪い小人のものになったことがあったの。けれどまた乙女達の手に戻る時までに小人が呪いをかけたのよ」
 指輪にだ。そうしたというのだ。
「乙女か小人以外の者が手にしたら破滅する呪いをね」
「だからその指輪には呪いがかかってるのね」
「そう。もう小人は滅んで乙女達だけが残って」
「その乙女達以外の誰かが手にしても」
「偉くなっても。お金持ちになっても」
 それでもだというのだ。
「最後は破滅してしまうのよ」
「凄く怖い指輪なのね」
「そう。だからヒルダが若しその指輪を見つけても絶対持ったりしたら駄目よ」
 母は娘に強い声で話した。
「破滅したくないでしょ」
「うん、それはね」
 ヒルダもだ。そんなことになりたくはなかった。ヒルダも子供とはいえ人間で欲はある。けれどそれと引き換えに破滅したいかというとだった。
「絶対にね」
「そうでしょ。じゃあいいわね」
「うん、じゃあ」
 こうしてだ。ヒルダは母に指輪のことを教えてもらいだ。そうしたものがあっ
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