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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
終章〜クロスベルの一番長い日 〜 第56話
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リアスが魅力の一つのレンが、自分から凄惨な過去を話して同情してもらったら、レンの魅力が減るでしょう?」

しかしいつものように笑顔を浮かべて問いかけたレンの答えを聞いたロイド達は冷や汗をかいて脱力した。



「むしろさっきの二つが建前で最後の理由が本音なのでは?」

「レンちゃんの性格を考えたら本当にそうとしか思えないわよね……」

我に返ったティオはジト目で指摘し、エリィは疲れた表情で溜息を吐き

「ほえ〜?”ミステリアス”ってどういうイミ〜?」

一方キーアは意味がわからず無邪気に首を傾げていた。

「ハハ……………―――なあティオ。一つだけ約束してくれ。」

「………え………」

そしてロイドの言葉を聞いたティオは呆けた様子でロイドを見つめた。



「昨日みたいな事があったらすぐに俺達に言ってくれ。自分一人で溜め込んで無理をするのだけはダメだ。酷な言い方だけど……戦闘の時に倒れられたら足手まといになりかねない。」

「……はい、肝に銘じます。わたしも支援課の一員……同じ仲間でありたいですから。だから………わたしの苦しみも、辛さも、どうかわかちあってください。」

見つめられたティオは頷いた後静かな笑みを浮かべて答えた。

「ティオちゃん………」

「………はは。お安い御用だぜ。」

「うふふ、それが”真の仲間”だものね♪」

「ああ……喜んでわかちあわせてもらうよ。」

「ほえ〜……」

「クク、確かにこりゃあ、オッサンの出る幕はねぇな。――――たしか午前中は薬物を使用した疑いのある市民の聞き込みだったな?」

ロイド達の様子を見たキーアは呆け、セルゲイは笑った後尋ねた。



「ええ、一課の資料も参考に改めて確認してみようかと。それと、忙しくなりそうなので今の内に他の支援要請なども片付けておくつもりです。」

「そうですね………このタイミングを逃したら市外に出る余裕は無さそうですし。」

「しかし住宅街の証券マンにサーベルバイパーのパシリ………それにアルカンシェルの新米キャストか。」

「どれも昨日の時点で少し様子が変だった人達ね……」

「人数は少ないけど、色んな立場の人達に広まっているわよね。」

そしてランディの言葉にエリィとレンは疲れた表情で頷いた。

「時間があるならイアン先生の事務所にも行った方がいいだろう。先生から聞いた2人のうち、証券マンは一課の資料にあったのと同一人物だが………貿易会社の経営者ってのはまだマークされていないようだ。」

「そうですね……法律事務所にも行ってみます。あとは午後あたりにヨアヒム先生が成分調査の結果を連絡してくれるはずですけど………」

セルゲイの言葉にロイドが答えたその時、
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