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どうして俺ばかり
第五章

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「本当にね」
「悪くないとね」
「もう狼さんじゃないよ」
「全然魅力的じゃないから」
「俺は心から傷ついたぞ」
 オスカーはまたしてもだ、猫達に憮然として言った。
「全く、とにかく狼は悪くないと魅力ないか」
「本当の狼さん程つまらないものないよ」
「何もないよ」
「それこそね」
「もういい、これ以上聞くと心がもたない」 
 さらに憮然としての言葉だった。
「わかったしな」
「うん、じゃあね」
「またアンケートしたら言ってね」
「喜んで受けさせてもらうよ」
「今度は鶏肉を持って来て欲しいね」
「誰がやるか」
 鶏肉はとだ、怒って返したオスカーだった。だが何はともあれ彼はアンケートをしていってそれが終わってからだ。
 群れの仲間にだ、こう言った。
「俺は深く絶望した」
「ああ、皆狼は悪いくてこそって言ってるんだな」
「森の生きものも街の人間も犬も猫も」
「皆だな」
「本当に皆だよ」
 実際にというのだ。
「どいつもこいつも言うんだよ」
「俺達は悪くてこそか」
「悪いからこそ魅力がある」
「悪くないと魅力がない」
「逆にそうだっていうんだな」
「そうだよ」
 まさにその通りだというのだ。
「皆そう言うんだよ」
「ああ、そうか」
「やっぱりそうか」
「予想してたけれどな」
「そうなんだな」
 仲間達はオスカーの言葉を聞いて納得してそれぞれ言った。
「どうしてもそうなるな」
「狼のイメージはそうだな」
「俺達につてはな」
「普通にそうだな」
「やれやれだよ」
 苦い声でだ、オスカーはまた言った。
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