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暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】
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一夏SIDE


とある都会の路地。

辺り一面に広がる夥しい血。それは俺が斬った人間から流れた血だった。

別に好きで人殺しをしてる訳じゃない。ソイツは裏で詐欺を人を騙し、更には自分の不正の他人になすり付けてた忌々しい奴だ。俺が殺してるのは、全員そんな奴だ。一般人は1人たりとも殺していない。ただ俺の正体を知ろうとする奴なら一般人でも容赦はしない。
だって俺は……あの時から……人間であることを…織斑 一夏だった過去を…全て捨てたのだから……

_______________


あれはもう何年も前だろう。俺は実の姉の千冬姉の試合を観戦する為にドイツの地へ降り立った。
今世界は束博士が発表したIS(インフィニット・ストラトス)によって世界のパワーバランスは崩れ、世間では女尊男卑といって女性が強くて男性が弱いとされている。
そして俺の実の姉の千冬姉はその象徴。数年に一度開催されてるモンド・グロッソの第1回優勝者で、俺の自慢の姉さんだった。

けど俺は第2回のモンド・グロッソの大会の決勝前で誘拐されて、水知らない所に監禁された。
俺を誘拐した奴らの目的は、千冬姉を決勝戦に出場させないためだった。何の為かは解らない。けれど、千冬姉は決勝戦に出場したらしい。そして俺は、そんな奴らから人質として役に立たなくなったといって殺されそうになった。
もっと生きたい…もっと生きたいと思った矢先……

『生きたいか?』

どこからかそんな声が聞こえた、何故かは解らない。けど確かに聞こえた、その声が……

『生きたければ、僕の力の一片をくれてやろう。だがその代償に、お前は大事なものを手離さなければならん。
己の魂ではもの足りぬ何かを……』

その時俺は力を欲する代償に、俺自身の…俺の過去を代償に払った。唯一の家族の千冬姉と、初めての幼馴染の箒と、中学で出会った鈴や弾やその妹の蘭といった全ての俺の過去を捨てるという大きな代償を払って力を手に入れた。

その力の証は、俺の心臓と代償でもって生み出された刃で今も右腰から下げてる《神刀 摩利支天》。それはあまねく全てを司る創造の刃にして、最凶の刃に唯一対抗できる刀だ。
俺は手に入れた力を使って奴らを排除。更に襲い掛かって来たISも返り討ちにしてそこから離れた。

_______________


それから数日して、俺が監禁されてた場所に千冬姉が乗り込んだらしいけど、そこには無数の死体とISの破片が発見されただけで俺の手掛かりは残ってなかったそうだ。残ってなくて当然だ、何せ証拠は全部俺が消去したんだから……
それに今更戻ったって仕方ない、この力は人の人知を超えた力だ。戻ったところで人体実験を受けるだけだ。ならば一生戻らなければいい。この力を手にした以上、もう後戻
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