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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第15話 クロスベルでの出会い
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だろう。そこでこの街で猟兵王の息子を見たと情報を流す」
「なるほど、向こうから来てもらうという事ですね」
「しかしセルゲイさん、流石にそれだけでは信憑性が無さすぎます。あの猟兵王がそんなことで動くとは思いませんが」
「だろうな、だがあまり情報を流しすぎると教団も嗅ぎつけるかもしれん。現状じゃそれだけしかできないんだ、すまんな」


 セルゲイさんの説明にガイさんは納得したようだがアリオスさんが待ったをかける。猟兵は警察以上に情報を大事にしている、そんな噂話程度じゃ猟兵が動くわけがない、でも……


「それで充分です、どうかお願いします」
「本当にいいのか?正直自分で言っておいて穴だらけな計画だと思うが?」
「大丈夫です、団長なら……お父さんなら必ず来てくれます」


 僕はお父さんを、西風の皆を信じる。きっとここに来てくれると……


「……そうか、ならそのように手配しておこう。アリオス、悪いがお前も手伝ってくれ」
「分かりました」
「それとガイ、お前はもう上がれ。その代わりにその坊主の面倒を見てやってくれ」
「俺がですか?」
「お前には弟がいただろ?なら年下の扱いなら慣れてるはずだ」
「俺は構いません、リィンがいいならですが」


 そういってガイさんは僕を見る、正直これ以上お世話になるのは気が引けるのだがいいのだろうか?


「本当にいいんですか?」
「なに遠慮はいらないさ。俺には君と年が近い弟がいるんだ、きっと喜ぶよ」
「そうですか……」


 ガイさんは笑顔でそう言ってくれた。ここで僕が迷惑をかけたくないとわがままを言っても結局この人たちを困らせるだけだ。なら今はそのご厚意に甘えよう。


「ならお邪魔させてもらってもいいですか?」
「勿論だ」
「あ、そうだ。セルゲイさん、噂の中にこの言葉をいれてくれませんか?」
「ん、何だ?」
「それは―――――」


 


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ーーー



「すまない、待たせてしまったか?」
「いえ、大丈夫です」


 警察署前でガイさんが出てくるのを待っていた僕はそう答えた。


「それじゃ行こうか、俺の家はアパントハイム『ベルハイム』っていうマンションの一室を弟と一緒に借りてるんだ」
「弟さんだけですか、親とかは……」
「両親は共に亡くなってるんだ」
「!?ッ……すみません、無神経な事を聞いてしまって……」
「いいさ、気にしていない。ロイド…弟の名前なんだがあいつは出来た弟でさ、本当は寂しいはずなのに泣き言なんていったことがないんだ。でもだからこそ俺には分かる。家族と離れ離れになる悲しみがな」
「あッ……」


 ガイさんは僕の頭をポンポンと優しく叩く。
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