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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十七話「新たな旅立ち。そして故郷へ・・・」
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ウニーは傷が癒えた拳を握ったり開いたりした後リュカの顔を見上げる。

「これからよろしくな、ブラウン」
「ブラウン?」
「君の名前だよ。仲間になった証に俺達はこれからそう呼ぶよ」
「ブラウニーだからブラウン。…お前の方こそ安直じゃないか」
「こまかい事はいいじゃないか」

ブラウニー、いやブラウンはそんな風に言い合う二人を呆然と見つめる。
頼んでは見たものの、本当に魔物の自分をこうもあっさりと仲間にしてくれるとは思っては無かったらしい。

「兎も角、俺の名はリュカ。そしてこっちはヘンリー」
「お前が悪意の無い魔物だと言う事はよく解った。俺もお前が仲間になる事に異存は無いよ」
「…アリガトウ、オレ、ウレシイ。マタ、ナカマ、デキタ」

ブラウンは感極まったのかポロポロと零れる涙を腕で拭いながら泣き、シーザーはそんな彼の肩にとまって慰める様に「クオンクオン」と鳴く。
その光景をモンスター爺さんとオルタムは微笑ましそうに見ている。



―◇◆◇―

「さてと、そろそろ行こうか」
「ああ、世話になったな爺さん達」

シーザーとブラウンを馬車に乗せ、リュカとヘンリーの二人は馬車を引きながら歩き出す。

「おお、忘れる所じゃった。これも持って行くとええ」

オルタムはそう言いながら一振りの杖をリュカに差し出す。

「これは?」
「見た目の姿を変える事が出来る《変化の杖》じゃ。仲間にした魔物達を町や村の中に連れて行く時に役に立つじゃろう」

導かれし者達が旅の中で手に入れた数多くのアイテムなどは商人であったトルネコに譲られ、幾つかのアイテムは長い歴史の中で再び世界中に散り散りになったが、手元に残ったままのアイテムもあった。
この変化の杖もその中の一つである。

「有難う、これは助かるよ」
「なあに、気にする事はない。所謂先行投資という奴じゃよ、お前さん達ならきな臭くなってきている世界を何とかしてくれるじゃろうからな」

そう言ってニヤリと笑うオルタムに二人はキョトンとするが、すぐに笑いながらサムズアップする。

「まかせてください!」
「まかせておけ!」

そろそろ動き出すのであろう、徐々に賑やかさを増すオラクルベリーの町を後にして二人と二匹は決意を新たに旅立った。

まず最初の目的地はサンタローズ。
故郷で彼らを待つモノ、それは……



=冒険の書に記録します=

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