絶対止める!!
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「ガハッ・・・ゴホッ・・・」
地面に手をつき、血を吐き出しながら体を起こそうとするノーラン。そんな彼を冷酷な目で見下ろしている水竜を見て、彼の姿を見ているものたちは寒気を感じていた。
「おい!!何があった!?説明しろ!!」
ただ一人、この状況が見えていないカミューニはラクサスたちに説明を求めるが、誰一人として反応を返さない。いや、シリルの変貌があまりにも衝撃的すぎて、深紅の青年の声など誰の耳にも聞こえていないのだ。
「バカな・・・攻撃が・・・見えなかった・・・だと・・・」
殴られた箇所を押さえつつ、足を震わせながらようやく立ち上がったノーラン。彼は先程までの少年の力とは桁外れなパワーに、何があったのかわからないといった顔をしている。
「うお!!」
「!!」
シリルの一撃により立つのもおぼつかなくなっているノーラン。そんな彼に、少年はまたしても一瞬のうちに加速し、懐へと入り込む。
「水竜の・・・鉤爪!!」
引いた右足に水と銀色の風を纏わせたシリルは、光のそれを凌駕するのではないかというほどの速度でノーランの顎を蹴り上げる。
「っ!!」
まともに入った蹴撃に反応することすら許されずに打ち上げられた悪魔は、その速さのせいで声すら上げられない。
「まだまだ」
宙に舞ったノーランを見上げ、地面を蹴った水竜。彼は突然のパワーアップで跳躍力も上がっており、ノーランよりも高い位置へと現れる。
「ふんっ!!」
「ごほっ!!」
空中で逃げ場のない悪魔に両手を握り合わせ、それを振りかざす。背中でそれを受けたノーランは、重力に引っ張られる力も加わり、元いた床へと急激に落下していく。
ドゴォン
ラクサスたちの真横に落ちたノーランは床を突き破り下の階層へと落下し続ける。シリルはそれを見て、全身を水と銀色の風に覆わせると、ラクサスの雷のごとき移動よりも速く、開いた穴へと飛び込んでいった。
「ラクサス!!どうなってんのか教えろ!!おい!!」
「ハッ」
雷竜の肩を掴み、そう避けんだのは波動使い。彼のその言葉で正気を取り戻したラクサスは、彼の方を向き直る。
「よく・・・わからねぇ・・・」
「はっ!?」
頭をかき、自分でもよくわかっていない状況を懸命にまとめているラクサス。すると、彼の視界・・・カミューニの背後の横壁がぶち抜かれたのに気が付いた。
「「「!?」」」
壁が破壊された音に気付いたカミューニとセシリーもラクサスと同じ方向を向く。そこには、ノーランを叩きのめしているシリルの姿があった。
「シリル!!」
「どうしたの〜!?」
地面にうつ伏せに倒れたノーランはすでに意識が朦朧としており、呼吸も浅くなってきている。その男の頭に、少年は足
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