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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九十八話 謀多ければ……
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両元帥がニヤニヤ笑いながら話している。俺はリヒテンラーデ侯と顔を会わせ、苦笑すると侯にお願いを話し始めた。

「お願いは二つあります」
「二つか。欲張りめ。話してみるが良い」
リヒテンラーデ侯は上機嫌で先を促した。

「先ず、陛下に御病気になって欲しいのです」
「なんじゃと」
「!」

老人三人の間で素早く視線が交わされる。
「ヴァレンシュタイン、何が狙いだ」
「反乱軍をおびき寄せようと思います」

俺はエーレンベルク元帥の問いに答えた。しかし、老人たちには良く理解できなかったようだ。もう少し説明が要るだろう。

「陛下が御病気となれば、万一の場合後継を巡って内乱になりかねません。軍はそれを恐れて帝都を離れる事が出来ない。そういうことにしたいのです」

「しかし、反乱軍に陛下の御病気がどうやって分る? 分らなければ意味が無いぞ」
エーレンベルク元帥の疑問は尤もだ。

「フェザーンが教えます。帝国がフェザーンを併合しようとしていると分れば、何としてもそれを防ぎたいと思うはずです。それには反乱軍を勝たせるしかありません。そのために帝国の弱点を必死に探すでしょう」

「なるほど、フェザーンに侵攻作戦の情報を流せと言ったのはこのためか。良く考えたものだな」
俺の言葉にシュタインホフ元帥が呆れたような声を出した。

「それで帝国領奥深くに誘い込むか。よかろう陛下にお願いしよう」
「有難うございます、リヒテンラーデ侯」
「それで、もう一つの願いとは何じゃな」

もう一つの願い。こいつは少々悪辣すぎるだろう。しかし、帝国が勝つためには必要な事だ。フェザーンは必ず喰いつく。罠だと疑うかもしれないがルビンスキーの性格では喰いつくだろう。そのために此処まで追い詰めているのだから。






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