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貴方の背中に、I LOVE YOU(中編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(中編)
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貴方の背中に、I LOVE YOU  (中編)
{作品は、フィクションに付き、内容は架空で、事実とは、異なる処があります}

3〜4時間過ぎた。土蔵の表から、スクーターの音が聞こえた。町医者と看護婦が、土蔵の中に入って来た。平は険しい眼で、町医者を見上げた。町医者は事務的に、静の脈と眼球を確認して、一言も告げず、スクーターの後部席に看護婦を乗せ、戻って行った。
翌日、警察官が二人、担架を持って土蔵に入って来た。静の遺体を、担架で自分達の警察車両に載せ、平も同乗させられた。途中、警察車両は、黒川商店の前で停車した。警察官二人が、警察車両から降りて、黒川商店に入った。一人の警察官が戻って来て、平にも店に入る様に促したが、平は強引に拒んだ。業を煮やした警察官は、平らに「警察車両から出ない様に」と、言い、店に戻って行った。店の中で、良枝夫婦と警察官が、口論しているのが聞こえた。平は、店の中の様子を伺い、その場から逃げ、土蔵に戻って来てしまった。黄子が、土蔵の前で、尾を振り待って居た。疲れた。お腹が空いた。食べ残した、僅かな食糧を、黄子と一緒に食べ、平は黄子と、抱き合って寝てしまった。静の残した、僅かな食糧は、二三日分しか、なかった。平は黄子と一緒に、町中のゴミ箱の残飯を、漁る日々が続いていた。
ある日、黄子が手提げ袋を銜えて、土蔵に飛び込んで来た。暫くして、土蔵の前に二人の人影が見えた。二人は、土蔵の中に入って来た。黄子が、唸って威嚇した。一人は170センチ程の背丈の男で、もう一人は平と同じ年齢位の女の子で、二人は、親子の様に見えた。二人の衣服は貧祖だったが、衣服の汚れは殆ど無かった。平が異様に思えたのは、男性の顔が、頭巾で覆われ、顔が全く見えない事と、女の子は、口が利けない事だった。良く見ると、男の胸の上部と、女の子の首に、火傷の跡が有った。頭巾の男は「自分達の手提げ袋を、黄子が盗んだので、返して欲しい」と、言った。平は黄子から、手提げ袋を取り上げ、頭巾の男に返した。頭巾の男は、少し、平を見詰めた。彼は、手提げ袋から中味を全て出し、手提げ袋だけを持ち、二人で帰って行った。中味は、食料品だった。平は、男の頭巾が怖かった。翌日も、二人は、手提げ袋に食料品を詰め現れた。頭巾の男は「一人?親は居ないの?」と、物静かな口調で聞かれたので、平は頷いた。頭巾の男は、暫く考えて「ここに、自分達も住んで良いですか?」と、聞いた。平は頭巾が怖くて、首を縦に振った。夕方、二人は荷車に、荷物を載せ土蔵に現れた。頭巾の男は「私の名前は広沢敏郎(としろう)、娘は広沢和(なごみ)です。宜しく」と、言ったが、平は、恐怖感で、自分の名前を名乗る事が、出来なかった。(なごみ)と言う名前は、静が教えてくれた、父の手紙に書かれた、女の赤子の名前であった。偶然の一致に、平は驚いた。土蔵の表で黄
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