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岩清水健一郎という存在
4部分:第四章
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マで一番の悪役であり黒幕なのにです。それがどうしてなのかについても後で僕の考えを述べさせてもらいます。
 彼女の悪事はふとしたことから夫である仲原に知られてしまいます。そして仲原は二人の家で万里香に言いそのうえで彼女が作った食べ物を全て払ってしまいます。二人の結婚写真には弾痕の如きヒビが入ってしまいました。
 万里香はそれを見てその場に崩れ落ちます。その裏の顔を最も知られたくない相手に知られそれがどうなるかを悟ってです。この時の彼女の顔は蒼白でした。
 そしてそのうえで、です。仕事を成功させた美樹のところに来て彼女に襲い掛かります。その憎悪の顔を露わにさせたうえで、です。
 しかしここで桐野マネージャーと仲原が来ました。そして美樹を助け彼女を叩きます。そのうえで仲原は彼女に対して言いました。
『そうやって一生人を羨んで生きていくのか!』
 この言葉で遂に万里香も完全に終わってしまいました。自分に対してのその言葉にしゃがみ込んでです。泣き叫びながら言いました。
『私は貴方が欲しかっただけなのに!貴方の為だったら何でもできるのに!』
 こう言って泣き叫んだのですがこの時に彼女は顔を沈めさせて泣いてはいません。顔を上げてそのうえで顔を隠さずに泣いています。
 ここに万里香がどういった人間なのかわかるのではないでしょうか。この泣き方は子供の泣き方です。大人なら沈み込んで顔を隠して泣きます。しかし子供は顔をあげて隠さずに泣きます。万里香は無意識のうちにそうしています。腕を組まずに交差させているのもです。彼女は弱い子供でしかなかったのです。
 こうした意味において万里香にしても倫子にしてもミンチン先生にしてもです。彼女達は本質的に弱い人間なのです。人は弱いからこそ、そしてそれを無意識のうちで自覚しているからこそより弱いと見た相手をいじめるのでしょう。人間の持つ最も醜い一面の一つです。倫子はそれを必死に否定したくてトイレで居直りましたし歩と会おうとしませんでした。ミンチン先生はそれをずっとセーラに思い出させられるという復讐を受けました。
 万里香もです。彼女は全く強くありません。徹底的に弱い人間です。それを完全に曝け出してしまいました。最早彼女はここで終わってしまいました。
 この後仲原との離婚を覚悟し家を出ようとしました。そこに仲原が戻って来た時の万里香は弱々しい顔でした。あのドス黒い顔はありませんでした。
 そしてそのうえで、です。彼女は仲原に対して言いました。
『今まで有り難う・・・・・・』
 俯いてこう言って彼の前から去ろうとしました。彼女にとっては全てだった仲原を諦めてです。そのうえで去ろうとしました。しかし仲原はニューヨークでの住所を見せてそれから彼女に告げました。
『もう一度やりなおそう』
 僕はこの場面も好きです。仲原とい
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