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岩清水健一郎という存在
1部分:第一章
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当然ではないかと思います。誠が死ななければその目も変わったでしょう。しかし死んだ為にどうしてもその目が厳しくなってしまいます。大場衛は父親として最低であり景山留加は人を救うに値しない人間と僕は観ます。迎えた結末がどんなものでありそれを招いてしまったのは他ならない自分自身です。新見や宮崎といった演じていた役者さんが素で道で攻撃を受けるような反吐が出る存在がいたにしてもです。彼等はそもそも己の偏狭な価値観や病んだ心により誠を死なせてしまいました。二人がその後の一生を重い十字架を背負うことになったのも当然の結末です。
 そしてドラマの中でいじめ役の一人がオートバイ事故で瀕死の重傷を負いその親がです。
『うちの息子は死にそうなんですよ!』
 この言葉を病室で言っています。しかし果たしてあそこまでした人間に生きる価値があるかというとです。僕は疑問に思います。このドラマではどうしてもキャラクターへの評価が厳しいものになってしまいます。
 次に『ライフ』です。僕はこのドラマで最も注目したのは廣瀬倫子というキャラクターです。最初はいじめられる立場で後にいじめる、しかもそれを率先して行うようになったということでは『人間・失格』の武藤和彦と同じ立場にあります。しかし彼女が辿った経緯は武藤とは全く別のものになりました。
 些細なことから仲間外れにされ陰湿ないじめを受けていきます。その中で彼女の心は傷つきましたし歪んでいきます。主人公の椎葉歩に助けを求めますがそれは拒まれます。そのことにより歩を激しく憎悪していきます。
 その憎悪の結果歩を陥れ自分の身代わりにします。ここからこの倫子というキャラクターが異常なまでに醜くなっていきます。
 自分をいじめていた仲間に歩のことを話し彼女を完全に自分の身代わりにしてです。そこからいじめには常に先頭に立ち歩を攻撃していきます。
 その陰惨さと醜悪さは顔にも出ていてドラマを最初から観ていてこれが同じ役者さんなのか、と驚く程です。この辺りは演じておられた星井七瀬さんの熱演の賜物です。
『私に何やったか覚えてるでしょうね』
 こう言って歩に頭からお茶をかけた時の顔は物凄いものでした。その他の表情だけでなくその行動も極めて醜悪でした。しかも彼女は自分がいじめられていたことの記憶もあり逆恨みもありました。それが殊更醜悪にさせていたのですがその他にです。彼女には醜悪になる重要な要素があったと思います。

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