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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―エリートからの挑戦状―
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香は「ええと」と思い出すような仕草をした後、答えてくれた。

「なんでもナポレオン教頭が、デュエル・アカデミアの生徒の中から選りすぐりの生徒を亮みたいなタレントやアイドルみたいな扱いにして、デュエル・アカデミアの入学生を増やすんだとか聞いたわ」

 ……なるほど。
ナポレオン教頭の言いたいことは分かったし、効果があることも分かった。
しかし、ただデュエルしているだけだと言い、自分がタレントのような扱いを受けているとは知らない、意外と天然の亮のような卒業生はともかく、在校生にそれをさせるのはどうなんだろうな。
主に成績とか。

「ってことは、もしかしたらこのデュエルもそうかもな」

 中等部トップの五階堂と、現在トップの三沢。
どっちか勝った方がタレント……ってか。

「……フフ」

「どうしたの?」

 突然少し笑いだした俺に、当然明日香は疑問の声を投げかけてくる。

「いやなに、三沢がタレントって似合わないなって思ってさ……」

「フフ、確かにね……」

 そして、デュエル場で小さくくしゃみをした三沢と、五階堂のデュエルが始まろうとしていた。

『デュエル!!』

三沢LP4000
五階堂LP4000

「俺の先攻から。ドロー!」

 こういう時は、先攻を後輩に譲るべきだろうが、三沢のデュエルディスクは無慈悲にも三沢に先攻をとらせた。

「俺は《牛頭鬼》を召喚!」

牛頭鬼
ATK1700
DEF800

 三沢の【妖怪】デッキの中核を担う妖怪の一種、牛頭鬼。その効果もさることながら、全体的に打点不足な三沢のデッキを攻撃力で支えてくれる良いカードだ。

「牛頭鬼の効果を発動。一ターンに一度、デッキからアンデット族モンスターを一枚墓地に送ることが出来る! そして、カードを一枚伏せてターン終了だ」

「俺のターン! ドロー!」

 さて、期待のトップはどんなデッキなのか……って、なんだかあいつ、三沢を凄い勢いで睨んでいる……?

「三沢大地……遂にこの時が来た! 万丈目先輩に代わってお前を倒してやる!」

 ドローしたカードを手札に加えた矢先に、五階堂はいきなり叫びだした。
……万丈目がどうしたって?

「何のことだ?」

「とぼけるな! お前が、俺が中等部から憧れていた万丈目先輩を落ちこぼれのオシリス・レッドごときに蹴落としたんだろう!」

 五階堂のその言葉を聞くと、俺は耳が痛くなった。
なにせ、一年生の時の昇格デュエルで万丈目ともう一名をオシリス・レッドに蹴落としたのは、自分なのだから。

「それに飽きたらず、万丈目先輩をこのアカデミアから追いだしたのもお前だろう、三沢大地!」

 そのまま、三沢への五階堂の糾弾は続いた。
……
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