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オズのボタン=ブライト
第二幕その一
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                 第二幕  リンキティンク王の宮殿
 オズマはこの時エメラルドの都の自分の宮殿においてです、オズの国のどんな場所でも自分が見たい場所を見られる鏡のあるお部屋にいました。
 そこでいつも通りオズの国を見回そうとしていましたら。
 ドロシーがです、トトを連れてオズマのところに来て言ってきました。
「オズマ、あの子達が来たらしいわよ」
「あの五人の子達が?」
「ええ、そうみたいよ」
「あら、けれど」
 そうドロシーに言われてです、オズマは。
 少し微妙なお顔になってです、こう言いました。
「王宮には来てないわね」
「今回は別の場所に出て来たみたいよ」
「何処にかしら」
「さっきグリンダから連絡があったけれど」
「グリンダの本に書かれたのね」
「そう、あの子達は今回はリンキティンク王の国に出たらしいわ」
 ドロシーはこうお話しました。
「あの人の国にね」
「あの人のなのね」
「そうなのよ」
「いつもは王宮に出て来るのにね」
「大抵はね」
「渦の扉も少し気まぐれだから」
「あちらの世界からこちらの世界に入る時は時々」
 ドロシーも言います。
「この王宮以外の場所に出て来るわね」
「そうよね」
「それで今回はね」
「リンキティンク王の国ね」
「今からあの人の宮殿に向かうそうよ」
「五人だけで?」
 オズマはドロシーに彼等自身のことも尋ねました。
「リンキティンク王の宮殿に向かっているの?」
「いえ、それがね」
「誰か一緒なのね」
「ボタン=ブライトと一緒みたいよ」
「そういえばあの娘昨日まで王宮にいたけれど」
 オズマはボタンのことにも気付きました。
「今はね」
「ええ、今朝から王宮にいなかったけれど」
「また何時の間にか寝ている間に」
「何処かに移っててね」
「あの子達と一緒になったのね」
「そうみたいね」
「六人ね、けれど」
 オズマはこのことまで確かめてでした、そのうえで。
 腕を組んで考えるお顔になってです、ドロシーに言いました。
「ボタンだけだと」
「頼りないわよね」
「あの子はすぐにわからないだから」
 こう言うからというのです。
「子供だし」
「子供が六人だけだとね」
「幾ら五人がしっかりしていても」
 それでもというのです。
「限度があるわ」
「何かと大変よね」
「だからね」
 それでというのです。
「誰かが行かないとね」
「どういった冒険になるかだけれど」
「ええ、助けてあげないと駄目よ」
「そうね、じゃあ今からリンキティンク王の国にね」
「行ってそこであの子達と合流して」
「助けてあげましょう」
 ドロシーはオズマににこりと笑って言いました。
「そうするべきよね」
「ドロシーの言う通りよ
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