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【フェアリーテイル】星の導きのままに<私は…僕は、罪深き星霊だから…>
出逢い編
Storia-雪ノ日-

[8]前話



任務帰りだった。魔物を退治する至極簡単な仕事で、一人で出向いていた。


生憎依頼者の話が長すぎて終電を逃したが。ホテルも満杯。野宿しようにもこの地域は雪がよく降るらしく、地面は白い花弁で埋めつくされているのだ。チッ、どうすればいいか。



少しでも雪から逃れてぇ。その一心から、薄暗い路地裏に身を潜め、

倒れている女を見つけた。



声を掛けた。さすがに放っておけるねぇだろ。あの暑苦しい桜色を思い浮かべながら、女を揺さぶる。



「…っ、あぅ」



死んではいない。視点はゆらゆらしていて、まるで死人みてぇ。そう思うと同時に、


なんて綺麗なんだろうと感嘆した。



ハニーブラウン色の柔らかな髪。

黒曜石のように純黒な瞳。

薄汚れてはいるが白く、滑らかな肌。

細くしなやかな身体。正に完璧なルックス。


「っう…」

「、あっ…」


女の苦しそうな声にはっ、と我にかえる。

そうだ。見惚れてる場合じゃねぇ。どっかに運ばねぇと…って、どこにだ。

兎に角、屋根がある場所に運ばねぇと。


下手したら寒さで凍死する。コートを脱いで、女に被せると女にとっては不本意かもしれねぇが姫抱きをした。驚く程、かりぃ。何日食ってねーんだ。


とりあえず、来る途中で見かけた喫茶店に行こうと踵を返し、向かった。
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