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101番目の舶ィ語
第十六話。二人の魔女
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大切だから、だから側で……!

「俺が絶対死ぬ運命っていうのなら、俺の真横で俺を支えてくれ! 絶対に考えたくないけど、俺だけを死なせたくないのなら……」

この先の言葉を言うのにはかなりの抵抗がある。勇気がいる。
だけど、その勇気を出すのが、俺の『主人公』としての『覚悟』だ!

「俺と一緒に死んでくれ!」

「つ??」

理亜の顔に衝撃が走る。まさか、こんなこと言われるなんて思わないよな?
だけど、俺は言ってやる。理亜やかなめと。
大切な妹達と。これからも一緒に歩む為に。

「あ、あんた、何言ってんのよ??」

「モンジ??」

スナオちゃんや音央からは当然のように抗議の声があがる。
ジャンヌなんか呆れた顔をしている。
だが、俺はこの手を引っ込めるつもりはさらさらない。

「俺だって、一緒に死ぬのは本当は嫌だ! 本当は理亜やかなめには幸せになって欲しい。理亜達が死ぬくらいなら、自分が庇って死んだ方がマシだって、そう思ってる。けどよ、理亜達だってそう思ってるなら……だったら一緒に死ぬか……」

「一緒に……」

「生きるんだね、お兄ちゃん……」

俺の言葉にボロボロと大粒の涙を流す二人を見ながら、俺は二人に声をかける。

「決めたよ。俺は、二人を俺の物語にして、ガンガン戦って貰う。傷つくかもしれないし、苦しむかもしれない、泣くことになるかもしれない、命の危険だっていっぱいある。それは本当はすっごく嫌だけど。俺自身も苦しむかもしれないけどな。でも、だからこそ。______『主人公兄妹』として、嫌な気持ちも分け合って生きていかないか?」

俺は右手を突き出すように、差し出した。

「嫌なこと。苦しいこと。辛いこと。そういうものを受け入れて、そして乗り越える道を探すことが『覚悟』だと思ったんだ。絶対にそういうことから逃げないように立ち向かうのが『主人公』の覚悟だと思ったんだ。だから俺は、その覚悟を示す」

俺がそう思えたのは他でもない、理亜が言ったある台詞が決めてでもある。

「それに、理亜はさっき、俺にこう言ったね?
ノストラダムスの大予言(アンゴルモア・プロフィット)』を倒すのは絶対に不可能だって」

「……確かに言いましたが、それがなんですか?」

「それを聞いて、安心したんだ」

「……何故ですか?」

かなり弱まっているが……ヒステリアモードはまだ続いている。

「『不可能』______その言葉が、理亜の口から出たからな。理亜は知らないのか?
俺がなんて呼ばれるロアなのかを。俺は『(エネイブル)』______不可能を可能にする男なんでね」
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