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水の国の王は転生者
第三十二話 改革の反動
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題を持つトリステインの足元を見て、反乱のカードをチラつかせエドゥアール王に要求を飲ませるつもりだった。

「この数ならば、要求を飲ませられる。ククク」

 リッシュモンは湧き出す笑いを止められなかった。
 ちなみにリッシュモンはエドゥアール王に忠誠心も、ましてや愛国心も持っていない。有るのは自身の栄達と金銭への欲求が目的の売国奴だ。トリステインの永い歴史を紐解けば、貴族が連合して意にそぐわない王を無理矢理退位させた例は何度もある。

 しかし、危惧している事もある。
 リッシュモンは、相手が信用できるか否かを見極めて協力を要請したが、一部の貴族が怖気づいて政庁へ通報する事を危惧していた。

「……時間をかけたせいで、時期を逸するのも面白くない。ここは早急に事を始めよう」

 リッシュモンの決断は早かった。

 ……

「陛下ご決断を。これほどの貴族が殿下の改革に反対をしているのです。このままでは流石の私も暴発を止められません」

 リッシュモンはエドゥアール王に二人きりでの面会を求めると、トリステインの貴族の七割がマクシミリアン追放を要求している事を告げた。
 王宮ではリッシュモン派閥の貴族が、マクシミリアン追放と王妃マリアンヌのお墨付きを叫んでいた。

 もちろん、これらの事柄は全て事前に打ち合わせをしている。

「……」

 しかし、エドゥアール王は何も喋らない。
 リッシュモンは不審に思いながらも、エドゥアール王を脅すように語った。

「陛下、我々もこの様な事になるのを、残念に思っています。ですが、事は重大。このまま、行き過ぎた改革を進めれば、栄光あるトリステイン王国は、身分を弁えぬ憎き共和主義者の手に落ちてしまいかねません」

「……」

 まだ、エドゥアール王は何も言わない。

(何を考えているのだ、全貴族の七割が敵に回ろうとしているんだぞ?」

「幸い、殿下はまだ13歳でございます。政治や身分とはどういうものか、外国が何処かでゆっくり勉強を……」

「……もう十分、喋っただろう」

 エドゥアール王が手を上げると、衛兵達がドッと部屋の中へ雪崩れ込んできた。 

「な、何だお前達!」

「リッシュモンを逮捕せよ」

「ははっ」

 命令を受けた衛兵達はリッシュモンに詰めより、あっという間に拘束してしまった。

「な、何を考えていいる。反乱が怖くないのか」

 王に対して暴言を発している事にも気付かずに、リッシュモンは問うた。

「反乱か……フフ、マクシミリアンなどはお前達が暴発するのを極度に恐れていたようだが。私は違う……私はこの時を待っていた」

「……どういう意味でございますか!?」

「もう一度言わんと分からんか? 『この時を待
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