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目を閉じて小旅行
第三章
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「相当きたわ」
「大丈夫?」
「ぎりぎりね」
 吐くまではいっていない、潰れるまでも。
「何とかね」
「傍から見てもかなり食べて飲んでたからね」
「自棄食いよ」
 そして自棄飲みだ。
「それですっきりしたわ」
「そうだったんだね」
「そう、じゃあ今日は」
「一人で家に帰られる?」
「今は大丈夫でも」
 吐いたり潰れたりしなくてもだ、今は。
「わからないわね」
「送るよ、家まで」
「悪いわね」
「いいよ、じゃあタクシー呼ぶから」
「それで家まで帰って」
「また明日ね」 
 彼は優しい笑顔で私に言ってくれた。
「明日会おうね」
「ええ、それじゃあね」
 私も微笑みを返した、そしてだった。
 私は彼にタクシーで家まで送ってもらった、そして彼に肩を貸してもらって家に帰ると出迎えた母に呆れた顔で言われた。
「飲み過ぎよ」
「ちょっとあってね」
「どうせ一緒に旅行に行くつもりが潰れたんでしょ」
「何でわかったの?」
「あんたがこうなる時の定番だからよ」 
 彼に家まで送ってもらうまで酔うことがというのだ。
「何度目って思ってるのよ」
「そんなにかしら」
「そうよ、いい加減わかるわよ」
「そうなのね」
「そうよ、もう今日は寝なさい」
 呆れた顔のまま私に言った。
「お父さんはもう寝たわよ」
「相変わらず早いわね」
「いつも通りよ、じゃああんたもね」
「ええ、寝るわ」
「いつも悪いわね」
 母は彼にも言った、玄関まで私を運んでくれた彼にも。
「大変でしょ、こんなだらしない娘で」
「いえ、別に」
「けれどよくしてあげてね、根は悪い娘じゃないから」
 こう彼に言ってだった、母は彼から私を受け取って彼を帰らせてからだった。
 私を私の部屋まで運んでくれてから言った。
「服自分で脱げるわね」
「大丈夫よ」
「じゃあもう寝なさい、二日酔いだったら」
 明日の朝だ。
「お風呂に入ってから行きなさい」
「それで身体を奇麗にして」
「お酒も抜いてね。それでね」
「会社行くのね」
「そうしなさい、いいわね」
「そうするわね」
 母の言葉に頷いてだ、私は母に部屋から出てもらってだった。
 服を脱いで下着になって自分のベッドに入った。そして二日酔いの翌朝いつもより一時間半も早く、お酒のせいで喉が渇いていて起きてしまったのでだった。
 実際にお風呂に入ってすっきりして朝食の場に行くと父はもう出勤していて。
 テーブルに座っていた母にだ、こう言われた。
「昨日はちょっとした旅行だったわね」
「お風呂も入ったしね」
「全く、いい歳なんだからしっかりしなさい」
「思わぬ旅行になったわね」
「そうね、じゃあ朝御飯食べてね」
「仕事行くわね」
「そうしなさい」
 私にこう
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