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昔の歌
10部分:第十章
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第十章

28.砂糖 
 子供の頃はいつも舐めたかった

 塩なんかいらなかった砂糖だけでよかった

 甘い砂糖だけが好きだった甘いものが好きだった

 甘ければそれでよかったし満足だった

 砂糖の甘さが好きだった

 けれど今は違う  砂糖だけじゃない

 甘さだけでもない  辛いのも酸っぱいのもいい

 色々な味を知って甘さ以外のものも知った

 砂糖以外のものも好きになった  けれど

 それでも今でも砂糖も好き  純粋な甘さが


 子供の頃から好きだったものは

 塩ではなくただひたすら甘い砂糖

 甘い砂糖をいつも舐めて甘さを楽しんでいた

 甘いものだけが美味しいものだtった

 それ以外はいらなかった

 けれど今は違って  他の味も好きだ

 甘さもいいけれど  他の色々な味も知ったから

 甘いだけが味じゃないっていうのがわかって

 砂糖以外の甘さもわかってる  けれど

 それでも砂糖の甘さも好きで  今も愛している


 色々な味を知って甘さ以外のものも知った

 砂糖以外のものも好きになった  けれど

 それでも今でも砂糖も好き  純粋な甘さが


29.狂戦士
 幾ら強くとも心がなければ

 それは真の戦士ではないのだと
 
 よく言われた言葉だった

 しかし極限まで強さを持っている戦士は

 それだけで美しい

 野獣の美しさをたたえて

 一人戦場で笑う

 見ているのは敵と勝利だけ

 他には何も見てはいない

 その美しさがあれば

 心は不要なのだろうか

 
 戦場で笑う戦士一人

 彼は一人で全てを捻じ伏せてしまった

 あまりにも見事な強さで

 しかし彼は戦場から普段の場所に戻ると

 穏やかな顔になり

 人の微笑みを見せてきた

 あの笑みはもうなく

 ただ仲間達と共に笑って


 見ているのは敵と勝利だけ

 他には何も見てはいない

 その美しさがあれば

 心は不要なのだろうか


 そうしてそのまま寝てしまう

 戦士は戦場を去れば

 もう人でしかないのか


30.幻想
 あの時はああしたからよかった

 そう思う時がある

 けれど本当にそうなのか  違うのじゃないか

 同時にこうも思う

 あの時別のことをしたらもっとよかった

 そうも考える

 けれどそう考えるのは幻想かも知れない

 実際は別のことをしてもいいししなくてもいい

 世の中とはそういうもの

 だから今考えていることは

 若しかしたら幻想かも知れない

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