暁 〜小説投稿サイト〜
貰った特典、死亡フラグ
自分の流儀を貫いて
10:真実とは何が何で何なのか?
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「らァ!!」

 力強く振り下ろす刀。だが、それは“ストライクカノン”によって防御された。もう片方の刀で切りつけるが、それも避けられる。

(強すぎだろ、この人っ……)

 切っては避けられ、砲撃されては避ける、そんな鼬ごっこの様な攻防を俺と高町なのは一等空尉はずっとしていた。それでも、互いの攻撃は少しではあるが当たっている。そして、俺は不利であった。

「ファイアッ!!」

 高町一等空尉の“ストライクカノン”から放たれる砲撃。それは俺の攻撃が止まるわずかな時間を狙い、“フッケバイン”に着弾していた。

「くそっ……たれが」

 踏んできた場数が違いすぎる。たった3ヶ月の短い期間を戦ってきた俺と、17年という長い間に戦闘技術を積み重ねてきた高町なのは一等空尉。その差はあまりに歴然だった。そして俺の強さはエクリプスウィルスの恩恵だ。それでもその3ヶ月がなければ、俺はこの人の前に立つことなど出来なかっただろう。

 そして、俺は確かに動揺していた。ここを突破して、早くマリを探したい。それだけを考えていた。それが俺のただえさえ単調な動きを、さらに単調にしていたのだ。

「俺は! マリを探さなきゃならないンだ! こんな所で捕まっちまう訳にはいかねェンだよォ!!」

 だが、そんな叫びを平和を守る側である特務六課が聞くわけにはいかないのは、重々承知している。仮に俺が特務六課に協力しようとしても、それは叶わぬ妄言でしかないのだ。この身体では協力など出来るはずがない。それに俺は人を殺しすぎた。今さら正義の領域に立てる人間ではない。いや、もはや人間ですらないのかもしれない。

「だったら、こんなことしてちゃ駄目! 武器を捨てて!」

 互いのかける言葉も、願っていることも、それは平行線を辿っている。正義の側と、犯罪者の側。譲り合うことなど出来はしない。こんな身体で誰かを守ることが出来るというならば、最初から誰も殺してなどいない!

「俺は……エクリプスウィルスなンて物を生み出したやつを必ず見つけ出す。そのためには、ここで武器を置くなンてことはァ、出来ねェンだ!」

 この世界はただのマンガなのかもしれない。元を見ればそれは、人々の娯楽のための物だ。それは1つの物語をつむぐ。言うなれば、それは1つの世界であるということだ。外から見ているだけではわからない、初めて中を見てわかる現実。たとえマンガであろうと人は生まれ、人は死ぬ。この“世界”に転生して初めてそれがわかった。この“世界”は俺にとって、俺が生きていく現実。物語の設定などではない、俺の生きていく世界だ。

(だから、俺だってやるしかねェンだよ!)

 俺の役目は“ヴォルフラム”の主砲の足止めをし、逃げる時間を作ること。とは言え、このままでは消耗戦になる。そ
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