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春の歩道
5部分:第五章
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第五章

13.春の雪
 暖かくなったのは少しの間で

 今は雪が降っている  白い雪が

 白い雪が赤い梅の上に舞い降りて

 それが何故か目に焼きついた

 奇麗だけれど何か場違いで

 不思議な感じがする赤と白だった

 冬の雪と春の梅が合わさると

 時間がどうにかなりそうだった

 けれど春はもうここにいて冬はいない

 雪は消えてそのままいなくなった
 
 ただ赤い梅だけが残って咲いていた

 
 急に寒くなった今の春に

 雪が静かに降ってきて  山を染める

 赤い梅の上にもその白い姿を見せる

 それは絵のように目に入る

 春の世界に雪は合わない

 けれど赤と白の世界を創る

 冬の雪が春の梅を覆わんと

 そのまま降ってくるのだった

 けれどそれは適わない春の日

 雪は少し暖かくなって消えた

 そこに残ったのは結局春の赤い梅


 冬の雪と春の梅が合わさると

 時間がどうにかなりそうだった

 けれど春はもうここにいて冬はいない

 雪は消えてそのままいなくなった
 
 ただ赤い梅だけが残って咲いていた


14.予定調和
 毎日出会って喧嘩をしてすぐに仲直り

 何処か予定調和でありきたり

 けれどそんなありきたりの日常が

 君と過ごす日常が大切なんだ

 予定調和は悪くない  むしろいい

 君といて一緒に笑うのが幸せだから

 退屈な毎日だけれど君が一緒なだけで

 予定調和が凄くいいものになるんだ

 些細なことも何かが加わるだけで

 それで楽しいものに変わる

 楽しい予定調和の日々を君と一緒に

 笑って喧嘩して過ごしたいんだ

 
 毎日笑い合って何かを一緒に食べて

 そんな予定調和の毎日に

 君という少しの存在があるだけで

 予定調和こそがいいと思えてきたよ

 それでいつものことが  あってよくなる

 君と一緒にいる幸せが日常になるから
 
 退屈だった毎日が一転して楽しいものに

 鮮やかなまでに変わったんだよ

 君がいるという幸せを噛み締めて

 楽しい毎日を共に過ごすだけ

 予定調和も幸せだったらそれでいいんだ

 いつもの笑顔もお喋りも飽きはしない


15.柔らかい棘
 まだ若い薔薇の木の

 その棘を少し触ってみる

 あの痛さはそこにはなく

 少しばかりの柔らかさがそこにある

 まだ備わっていない痛さがないのが楽しくて

 また触ってその感触を楽しむ

 けれどそれは今だけのことで

 もう少ししたらあの痛い棘になる


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