暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
二十六話 ー悪魔再び、ですー
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 マイアミチャンピオンシップ ジュニアユース選手権第1日目は予想以上の盛り上がりを見せた。 第一試合の柚子vs優希の融合対決に始まり、権現坂vs暗黒寺の元兄弟子、弟弟子対決、素良vs黒咲の白熱した接戦。 そして、沢渡vs榊 遊矢のペンデュラム対決で幕を下ろした。 とても長く濃い1日だった。

 そして、2日目。ジュニアユース選手権の会場となっているスタジアムには、多くの観客が詰め寄せ、客席のほとんどが埋め尽くされている。 一方、これから2日目第一試合が行われようとしているデュエルコートでは、LDSの"融合召喚コース"首席 光津 真澄が瞳を閉じ、静かに佇んでいた。 ゆっくりと瞼が持ち上がり、ルビーのような赤みがかった瞳が開かれると腕へと装着済みの決闘盤(デュエルディスク)のディスプレイへと視線を向けた。

「…………遅い」

 液晶には現時刻が表示されており、あと5分すれば、デュエル開始時刻となる。 しかし、彼女の相手は未だに姿を現さない。 無論、開始時刻に間に合わなければ、問答無用で彼女の不戦勝となる。 楽して第二試合に進めるに越したことはないが、元よりプライドの高い彼女はそんな勝ち方は望んでいない。

 苛々とするのを静めようと再び瞑想をし始めた時、不意に会場の喧騒が止んだ。 そして、コツコツと此方へと歩みを進める音とともにゆったりとした旋律でハーモニーカの澄んだ音色がゲートから響いた。

「…………来たわね」

 閉じられていた瞳は、開かれ、彼女の対戦相手が入場ゲートから姿を見せるのを今か今かと待ち構えていた。 そして、遂にその姿が明らかになる。
 黒のストッキングに紺色を基調としたブレザーとミニスカート。 それとは対称的な鮮やかな赤髪は二つ結びにされており、頭にはちょこんとドクロの缶バッチがつけられた帽子がのっけられている。 露出はほぼ無いに等しいのに関わらず、何処か人目を惹きつける少女にワッと喧騒が大きくなる。

 光津 真澄もかなりの美少女であるが、目の前で遅刻したのに悪びれもせず、むしろ余裕のある表情を浮かべている少女は真澄とはまた別の可愛さを持つ合わせていた。

 その少女の名は常闇 冥。 またの名を、『魔界発現世行きデスガイド』。 神崎 優希に取り憑いているデュエルモンスターズの精霊(悪霊)である。

 ◆◇◆

「ふん、遅かったじゃない。 怖気づいたのかと思ったわ」
「ん〜、五分前集合とかガキじゃないんですから……私のモットーは余裕を持って優雅たれなんで。それに、あなた如きにビビるわけないじゃないですか」


 挨拶代わりに棘のある言葉を放つ真澄に対し、エッジの効いた言葉が返される。 ぴしりと褐色の肌に青筋が浮かぶ。 そんな様子を悠然としながら見つつ、冥はハーモニカをポッケへ
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