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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―運命の決闘者―
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表示になったところを狙おうにも、他ならぬD−ENDの効果によって、バトルフェイズの機会は失われている。

「……言った筈だ、DD。僕のヒーローたちは、お前になど負けはしないと」

「なにぃ?」

 しかしてエドはあくまでも冷静に、最後に残った一枚のカードを発動してみせて。

「速攻魔法《ビッグ・リターン》! 一ターンに一度と制限されたエフェクトを、もう一度発動することが出来る!」

 発動されたのは速攻魔法《ビッグ・リターン》。自分フィールドのモンスターの、『一ターンに一度』という誓約がついた効果を発動する、という速攻魔法カードであり。たとえモンスター効果が無効にされていたとしても、速攻魔法《ビッグ・リターン》の効果として、一ターンに一度という誓約を無視して再度発動される。

「デュエルも、カードも、僕も。そしてD−HEROたちも進化する。亡霊にもはや居場所はない」

「…………」

 効果を無効にされていたD−ENDがゆっくりと動き出すと、先程と同じように竜の息吹が灯っていく。それをボーッとした表情で見つめるDDには、もはやD−ENDのことを止めることは出来ないようだが――彼はそんな『最後のD』の姿を見て、何を思うのか。

「……消え去れDD! インビンシブル・D!」

 《ダーク・シティ》の夜の帳をかき消すような、まるで太陽のような熱量が籠もった竜の息吹。それは無抵抗のままの《No.22 不乱健》に炸裂し、ただ光となって消えていった……

DD LP500→0



「エド……」

 こうしてフィールドは《ダーク・シティ》から元の路地裏に戻っていき、D−ENDが消えるとともにデュエルスタジアムの電源も落ちる。辺りに広がっていた闇も消えてなくなり、対面にいた筈のデュエル相手も――まるで最初からいなかったようで。

「さようなら……もう一人の父さん……」

 誰にも聞こえないような本当に小さな声で、エドは空に向かってそう呟くと。こちらに顔を見せないように、路地裏の出口に向かって歩き出していく。

「……僕は止まらない。この父さんが遺したD−HEROとともに」

 一瞬後にこちらに振り向いたエドの顔は、いつも通りの余裕ぶった不敵な笑みを浮かべていて。D−HEROたちが装填されたデュエルディスクを、こちらに剣のように構えていた。

「お前ともいずれ決着をつける。……異世界でのことは、その時のデュエルで語れ」

「……ああ」

 それだけ宣言するように言い放つと、エドは路地裏から早足で駆けていく。次なる仕事の時間が迫っている――

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