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『曹徳の奮闘記』改訂版
第八十話
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していた。

「……譲りなさいよ」

「今日は詠と月が主役だからな。仕方ないと思う……だが断るッ!!」

 つい言ってしまった。後悔はしてないな。

「何ですって?」

「何故なら餃子は俺の好物だからな。これは譲れないな」

 この世界に来る前からも餃子は好きなんだよな。やっぱり餃子は王将だな。

「偶然ね。ボクも餃子は好物なのよ」

「ほぅ食っていいのか? 口臭くなるぞ?」

「女性にその言葉は良くないわよね?」

「餃子のためなら何だって言える」

「……ねぇ二人とも」

 俺と詠が睨んでいると、月が口を開いた。

「半分こしたらいいんじゃないかな?」

「「…………」」

 ……それが妥当か。

「……仕方ない。それで手を打つか」

「……ふん、月に感謝なさい」

 俺と詠はそう言って餃子を半分にした。




「……今日は楽しかったわよ」

 あれから俺達は飯を食べて街に買い物をしたりした。

「お茶の葉が切れる寸前だったので良かったです」

 月は嬉しそうにお茶の葉を入れた袋を見る。

「役に立てて良かったよ」

「ありがとうございます……すみません、少し花を摘みに行きますね」

「あ、私も」

「うん分かった」

 月と詠はそう言って俺に荷物を渡して花を摘みに行く。

 え? 何処に行ったか?

 ……察してくれ。

「お、露店商もしているのか」

「これは王双の旦那。良かったら見ていって下さい」

 おっちゃんの好意に甘えて俺は物色していく。

「……親父、これとこれをくれ」

「あいよッ!!」

 俺はおっちゃんに金を払って物を受け取る。

「御待たせしました」

 そこへ二人が戻ってきた。

「ほい二人とも」

「何よこれ?」

「俺からの贈り物だ」

「……リボン……」

 中身を見た月が呟いた。

「月のリボンは先がほずれかけてそうだったからな。新しいリボンだ」

「……ありがとうございます。詠ちゃんは?」

「……翡翠の勾玉」

 詠が呟いた。

 詠には首からかけれる翡翠の勾玉をプレゼントした。

 ……確か翡翠って加工が難しいはずなんだが……。

「詠の髪の色はそんな色っぽいだろ?だから翡翠の勾玉だ」

「……ありがとう長門」

 詠はクスリと笑った。





「長門いる?」

「ん? どうした詠?」

 夜、詠が部屋の外にいた。

「……翡翠の勾玉、ありがとうね」

「気にするな。俺がしたんだから」

「うん……だからこれはお礼よ」

チュッ。

「……詠……」

 詠は俺に背
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