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Blue Rose
第十話 弱さその十一

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「そうだったな」
「あの話だね」
「ああ、あの魚見たら海が荒れるんだったな」
「天気予報見たら」
「近々大雨、嵐になるみたいだな」
「低気圧が来てね」
「それも凄いのがな」
 龍馬も今後の天気予報をテレビで観て言っている、優花もである。
「来るみたいだな」
「そうみたいだね」
「やっぱりあの魚はな」
 リュウグウノツカイはというのだ。
「そういう魚みたいだな」
「出て来たら嵐になる」
「そんな魚か」
「不思議な魚だよね」 
 優花もリュウグウノツカイについてはこうした考えだった。
「殆どわかっていないままだし」
「そうだよな」
「海が荒れるのを感じて海面に出るのかな」
「深海からか」
「そうなのかな」
「野生の感覚でか」
「そうなのかもね」
「とにかくその魚観て驚いたしな」 
 こうも言った龍馬だった。
「本当に嵐になるなんてのもな」
「思わなかったんだね」
「ああ」
「そうした話って実際にあるよね」
「迷信かっていうとな」
「迷信でもなかったりするよね」
 優花は龍馬に少し考える顔になって話した。
「気候のこととかは」
「そうだな、燕が低く飛ぶと雨とかな」
「あれは本当にだよ」
「雨になるのか」
「雨が近いと湿気が多くなるから」
 大気の中のというのだ。
「虫が低く飛ぶよね」
「羽根や身体に湿気が付いて重くなってか」
「うん、そうして飛ぶから」
「その虫を食う燕も低く飛ぶんだな」
「だからね」
「燕が低く飛ぶと雨が近いか」
「そうなるんだ」
 龍馬に話した。
「科学的な理由があるんだ」
「そういうことか」
「うん、ただリュウグウノツカイは」
「あのお魚自体がよくわかっていないから」
 またこの話になった。
「嵐になることもね」
「わかってないんだな」
「うん、燕と違ってね」
「人間の身近にいないしな」
「深海だからね」
「燕はすぐ傍にいるんだけれどな」
 ここでだ、二人のすぐ傍にだった。
 燕が飛んで来た、燕は二人の前を足首位の高さで飛んでいった。そうして何処かへと去った。二人は帰り道にその燕も見た。
 そしてだ、家に帰ってからだ。
 優花は優子にだ、自分が作った料理を出して二人で食べながら言った。
「龍馬はやっぱり信じられるね」
「そうでしょ」
「うん」
 鯖の塩焼きにレモンをかけたもので御飯をかけながら言った。
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