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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第187話
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〜校門〜



「ふふっ……楽しい方々ですね。四大名門のご子息ならもっと近寄り難い方なのかと思っていましたけど。」

「はは、ユーシスもそうだしアンゼリカ先輩もそうだけど……結局のところ、身分とは別に”その人間”なんだろう。まあ、パトリックとは正直、仲が良いとは言えないんだが。」

「それでも共に競い合い、高め合えるような関係……学院祭を案内していただいてつくづく思ったのですけど……本当に、良い学院生活を送ってらっしゃるんですね?」

「ああ……それだけは自信を持って断言できる。それと”Z組”なんていう風変わりなクラスに選ばれたのも運が良かったんだろうな。」

エリスの言葉にリィンは静かに頷いて答えた。



「ふふ……兄様、学院祭の案内、ありがとうございました。とても楽しかったですけれどこのあたりで我慢しておきます。ステージの準備もあるでしょうし、後は私と姉様で大丈夫です。」

「ええ、ですから私達の事は気にしないで下さい。」

双子の姉妹は愛する兄を安心させるかのように微笑みを浮かべてリィンを見つめた。

「悪いな、本当に。……うーん、でも考えたらこのままお前達二人だけにするのもちょっとマズイな……さっきみたいな悪い虫が寄ってきたら心配だし……」

「兄様、私も子供というわけではありませんから……」

「ええ。それにいざとなれば私が追い返しますよ?その為の対処方法等もエクリア様達から学んでいますし。」

自分達を子供扱いして心配するリィンにエリスは冷や汗をかいて呆れ、エリスの言葉に頷いたエリゼは微笑み

「前々から疑問に思っていたけど、エクリア様達から一体どんな教育を受けているんだ……?」

エリゼの言葉を聞いて冷や汗をかいたリィンは表情を引き攣らせてエリゼを見つめた。



「ふふっ、やっぱり仲がよろしいんですね♪」

その時聞き覚えのある可憐な少女の声が聞こえ

「え……」

「この声……」

「貴女方は……!」

声を聞いたリィン達が振り向くとクレア大尉と鉄道憲兵隊を護衛につけているオリヴァルト皇子とアルフィン皇女が校門にいた。



「ひ、姫様……!?」

「オリヴァルト殿下も……いらっしゃったんですね。」

「――ご無沙汰しております。」

オリヴァルト皇子達の登場に気付いた周囲の人々は興味津々な様子でリィン達に近づくオリヴァルト皇子とアルフィン皇女を見つめた。



「フフ、名目上とはいえ、理事長を任されている身だからね。本当は昨日から来たかったんだが色々公務が入ってしまってねぇ。」

「わたくしも我がままを言って何とか連れてきてもらったんです。リィンさんとは、直接こうして顔を合わせるのは先日の皇宮以来ですね。
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