暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第三話 手合せ ―ファーストバトル―
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……疾風のいぢわる……」

「はははっ。そうそう。そうやってりゃいいじゃんか。ゲームの時くらい、本性出してもいいんだぜ?」

「……本性、なんて……」

「だってお前、ブレイブデュエルはゲームだぜ? 自分の感じるまま、やりたいようにやればいいじゃんか」

「……でも……」

 疾風に言われるも、口ごもる紗那。まぁ今までずっと素の自分を隠してきたのだ、抵抗があるのは当然だろう。それに内気な紗那のことだ、楽しみという感情を表に出すことにも抵抗があったであろう。

(……でもまぁ、一緒に遊んでんだからせっかくならめいいっぱい楽しんでほしいし……)

「抑える必要なんかねぇよ。今この場にいるのは、同じゲームを一緒に遊んでる仲間ばっかりなんだ。どんなにテンションが上がったって、おかしいと思う奴なんかいないって」

「……そう、かな……」

 そう言って紗那は、シミュレーターのある方向を見た。子供から大人までたくさんの人々がいて、盛り上がっていて……どの顔も、笑顔だった。勝負に勝ったのか、シミュレーターから出てきて飛び上がって喜んでいる子供と大人のペアがいたが、どこにもそれをバカにするような顔はなく、楽しげに見守る人々のみだった。

「……そう、だよね……」

 それを見て紗那は小さく微笑み、頷いた。自分も彼らのように、喜びを表に出すようにしてみようか、と……そちらの方が楽しそうに見えたのだ。

「うん、わかった。少しずつ、だけど……頑張ってみるね」

「おう。……ともあれ、次は絶対にリベンジしてやっかんな。覚悟しとけ」

「……そうはいかないよ。私だって……負けないから」

 そう言う紗那の口元は……疾風が初めて見る、好戦的で、しかしとても楽しそうな笑みに彩られていた。

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