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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第169話
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してくれたな。パテル=マテルはメンフィル軍が保有する兵器の中では戦艦―――”モルテニア”、”グロリアス”に次ぐトップクラスの兵器だ。その兵器を正当な理由なく破壊しようとしたのだから、正直国際問題に発展してもおかしくないぞ。」
「…………………」
レンとクレア大尉の説明を聞いて眉を顰めたオリヴァルト皇子は厳しい表情で領邦軍を睨み、領邦軍は隊長を含めた全員が表情を青褪めさせた。
「まあ、攻撃されたと言っても自己修復が可能なレベルですから大した事はありませんし、私としてもできればこのような些細な事を公にして国際問題に発展させたくはありません。この件と先程私の身を狙った件につきましては”ログナー侯爵家”の当主―――ゲルハルト・ログナー侯爵に直接抗議し、内密に”示談”で済ませようと思っているのですが。勿論、”賠償金”を頂く際”ログナー侯爵家”にノルティア州の領地を差し出させる要求はしませんので、その点はご安心下さい。」
「そうか……そういう事ならこちらとしても異存はない。その二つの件についての裁量はレン姫にお任せする。」
「フフ、ありがとうございます。―――そういう訳ですのでログナー侯爵に本日中に私自身が赴く事を伝えておいてくださいね?」
オリヴァルト皇子の答えに微笑んで会釈したレンは不敵な笑みを浮かべて領邦軍を見つめ
「か、かしこまりました……!」
レンに見つめられた隊長は恐怖の表情で敬礼をした。
「さらに鉱山所有者である皇族”アルノール家”の名の下にこの場の全ては私が預かる。領邦軍の諸君は速やかに撤退を。鉄道憲兵隊の諸君は私の指揮下に入ってもらうぞ。」
「仰せのままに、殿下(イエス・マイロード)。」
「ぎょ、御意……!撤退―――グズグズするな!」
オリヴァルト皇子の指示にクレア大尉は敬礼をし、隊長は敬礼をした後領邦軍と共に撤退した。
そして―――その後の事態収取は驚くほどスムーズだった。オリヴァルト皇子の指揮下、鉄道憲兵隊は忠実に職務を果たし……残されていた人形兵器は駆逐され、鉱員たちも無事、全員が解放された。
しかし―――事件がもたらした余波はそれだけでは済みそうになかった。領邦軍は明らかに、テロリストたちの行為を黙認するかのように動き……貴族派が牛耳る第一製作所による『鉄鉱石の横流し』の証拠もテロリストによって破棄されていた。
しかし……状況証拠は限りなく黒に近く―――オリヴァルト皇子はイリーナ会長の全面協力を受ける形で、厳正な調査を行うことを宣言するのだった――――
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