暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第13話『加入』
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柊君がクラスに来てから3日が経った。
未だに女子にチヤホヤされているが、彼はそれにも慣れたようで、接し方を学んだようだった。
その一方で、相変わらず男子が羨ましそうにその様子を眺めているが、今のところ何かが起きそうな雰囲気はない。


「狐太郎くーん、一緒に帰ろう!」

「あ、ずるい! 私もー!」

「は、はい。良いですよ」


こんな様子ももう日常茶飯事だ。
まだ少し怯えているようにも見えるが、この調子なら大丈夫だろう。これで柊君の問題は片づいた。



だが、俺にはまだ課題があった。暁君のことだ。

俺はまだ彼と話したことがないし、彼もまた誰かと話している様子もない。いつも窓の外を眺めていたり、教科書を読んだりしているのだ。
真面目、という言葉で表現しようにも、あまりに人との関わりが少なすぎる。

俺は柊君と友達になった以来、コミュ障が治ってきたのでは、と感じていた。たぶんそれは妄想ではない。もう俺は気軽に人と話せるんだ。だからこそ、暁君とも友達になりたい。

彼は近寄りがたい雰囲気を出しているが、今の俺ならきっと話し掛けれる!



「・・・ということを考えているんだけど」

「大丈夫だろ、普通に」

「そうだよなそうだよな!」


大地の反応に思わず嬉しくなる。
ちなみに今は下校中である。もちろん莉奈も居るので3人で帰っている。


「遂に晴登がコミュ障脱出か〜!」

「お前の魅力が1つ減ったな」

「え!? アレ魅力だったの!?」


他愛もない…はずの会話をする。


「でも難易度高いんじゃない? すごく堅物そうじゃん」

「話してみないとわかんないだろ」

「うんうん」

「てかさ、昨日のテレビドラマ見た?」

「え、見てないけど・・・」


話はいつの間にか、暁君のことから昨日のドラマに変わってしまった。







翌日になり、昼休みを迎えた。


「さて。昨日…どころか今まで忘れていたが、今日は暁君に話しかけよう! 大地だって大丈夫と言ってくれたし!」


俺は危うくだが、目的を思い出していた。
暁君との交流。そうすれば、このクラスとは全員馴染んだことになる。よし、やるぞ!

──でもどこだ? 昼休みなのに教室にいないな…。ちょっと周りに訊くか。


「暁? さっき教室から出てったのは見たぜ」

「先生に連れて行かれなかった?」

「何かやらかしたんじゃねーの?」


…さて。情報は集まった。感謝する皆よ。

先生に連れて行かれた、ということは職員室だろう。にしても、どうして連れて行かれたんだ? 暁君は悪いことをしなそうだけど…。
とりあえず行ってみるか。

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