暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第27話
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るよ。白いフリフリのドレスを着て頭に黒いリボンをつけた10歳くらいの女の子だけど……。ちょっと名前は分からないんだ。」

「名前が分からない?」

執事から迷子の情報を聞いたエステルは首を傾げた。

「いくら聞いても『ヒ・ミ・ツ』とか言って教えてくれなくってね……。家族と一緒に来たと思うんだけどそれらしい人も見つからないし……。ほとほと困り果ててギルドに助けを求めたんだ。」

「そ、そうなんだ。でも、かくれんぼといい、わりと元気な女の子みたいね?」

「うーん、元気というか……。おませで、おしゃまな気まぐれ屋って感じかな。大人をからかって楽しんでいるような気もする。」

エステルの推測を聞いた執事は悩みながら答えた。

「うーん、いわゆる悪戯好きの仔猫って感じ?」

「そう、まさにそれだ!はあ〜、ホントにどこに行っちゃったんだろ。多分、この建物からは出てないと思うんだけど……」

「ということは、中庭を含めた部屋の全てが捜索対象だな。確かに、かくれんぼにはもってこいの場所かもしれん。」

執事の話を聞いたジンは頷いて答えた。

「僕はいったん、談話室に戻ってあの子のことを待っているよ。見つけたら連れてきてほしい。」

「うん、わかったわ。」

そして執事は談話室に向かった。

「さーて、逃げた仔猫ちゃんを捜してみるとしましょうか。白いフリフリのドレスに黒いリボンって言ってたわね。」

「ふふ、すぐに見つかりそうな外見ですね。どんな子なのか楽しみです。」

エステルの言葉に頷いたクロ―ゼは微笑みながら答えた。

「とりあえず一通り建物の中を捜してみるぞ。」

アガットの提案に頷いたエステル達はさまざまな部屋に入って、迷子を捜したが見つからず、そしてある部屋に入った時、意外な人物に出会った。



〜エルベ離宮・客室〜



エステル達が部屋に入る直前、豪華な衣装を着た男性――デュナン公爵が部屋をせわしなく歩いていた。

「遅い!遅すぎる!フィリップめ……。雑誌とドーナツを買うのにどれだけ時間をかけているのだ!」

その時扉が開く音がし、デュナンは振り返った。

「これ、フィリップ!私をどれだけ待たせれば……」

デュナンは部屋に入って来た人物を自分の執事――フィリップと思い、注意をしたが

「へ……」

「あ……」

入って来たのはエステル達だった。デュナンを見てエステルとクロ―ゼは唖然とした。

「そ、そ、そ……そなたたちはああ〜っ!?」

一方エステル達を見たデュナンは信じられない表情で声を上げた。

「なんだぁ?この変なオッサンは。」

デュナンの事を知らないアガットは首を傾げた。

「デュナン公爵……。こんな場所に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ