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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
1章〜忍び寄る影〜 外伝〜環の行方〜
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〜王都グランセル・封印区画・最下層〜



かつてのクーデター事件の最終決戦となった封印区画。そこにクーデター事件解決の功労者として、中尉から大尉に昇格したユリアが先頭に立って、ケビンを案内していた。

「ふ〜、それにしてもほんまゴツイとこですねぇ。いい加減、足が疲れましたわ。」

「ふふ、安心するといい。ここが『封印区画』の最下層だ。」

「わお、ホンマですか!?は〜、あと半分とか言われたらどないしようかと思いましたよ。」

ユリアの話を聞いたケビンは嬉しそうな表情で答えた。

「フッ、ご謙遜を。神父殿が、聖職者にしてはかなり鍛えてあるのはお見通しだ。そうでないと君の役目はなかなか務まらないだろうからね。」

「あいた、かなわんなぁ。まーええですわ。リベール王家とウチのところは昔から縁が深いみたいですし。そや、大尉さん。例の市長さんのアレですけど……」

「ああ、『封じの宝杖』だね。………盟約に従い、指定された方法で厳重に保管させてもらっている。いつでも手渡せると思うよ。」

「おおきに、助かりますわ。盟約に協力的な国といったら、リベールぐらいで、他の国は色々難癖をつけて来てなかなか渡してくれまへんし。」

「…………そうか。盟約といえばメンフィルはどうしているんだい?」

ケビンの言葉を真剣に受け止めたユリアは尋ねた。

「あ〜………………あそこは異世界出身で盟約がない分、こっちが渡すように言っても渡してくれないんですよね…………時には”自分達の世界の技術”だからとか、”自分達は使いこなせる”から俺らはお呼びでないって、言われる時もかなりあると聞いています。実際、向こうの世界の技術はどんな物が全くわかりまへんから、攻めどころがなく、こっちは何も言えないんですよね…………かと言ってゼムリア大陸以上の国力を持つと言われる色々と反則なあの国に喧嘩を売る訳にもいきまへんし。」

「…………………そうか。昔から縁がある身としてはなんとかしてあげたいが、すまないが君達の助けにはなれないだろう。」

「あ〜、気にせんといて下さい。俺らの事情で昔から縁のあるリベール王家に迷惑をかける訳にもいきまへんし。実際、あんなすさまじい国と同盟関係にまで持ち込んだ事が奇跡に近い事でしょうし。」

申し訳なさそうにしているユリアにケビンは気にしていない事を言った。



「すさまじい………か。実際言われてみたら、そうだろうな…………国力、軍力もそうだがそれらを親子揃って、卓越とした政治力、指導力で有効に活用する皇家の能力。そして何より首脳陣の彼らは老いがなく、我々より遥かに長命だしな。彼らの登場でゼムリア大陸の国同士の力関係が完全に変わってしまったしな。」

ケビンの言葉を聞いてユリアは遠い目をしながら答
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