第三章
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「くれぐれもな」
「足ですか」
「そうだ、足だ」
「そういえばさっき薙刀部の先生に言われまして」
田所は自分の足を見ながら先生に答えた。
「脛当て付けています」
「それだ」
「薙刀には脛ですか」
「それがあるからな」
「そんなのかわせばいいじゃないですか」
特に考えていない返事だった。
「普通に」
「そう思うか」
「はい、そうじゃないですか」
「そう言うか、それならな」
先生はここまで聞いてだ、田所にあらためて告げた。
「実際に勝負してみろ」
「これからですか」
「それでわかる」
「剣道が強いって言ってるの先生ですよね」
「そして御前自身もな」
「強いですよね、俺も」
「しかしわかる」
実際に勝負をすればというのだ。
「それをわかって来い」
「これからですか」
「ああ、今からな」
先生はにこりとしていなかった、そしてだった。
田所は栗橋と異種試合に入った、お互いに礼をして勝負の場で一旦蹲踞して。
勝負に入った、だが。
開始早々だ、栗橋の一撃がだ。
彼の脛を打った、それは。
「一本!」
「!!」
田所は驚いた、その一本に。
そしてだ、驚いて言った。
「いきなりか」
栗橋は無表情だ、面の奥の顔はそうだった。
しかしだ、田所は驚愕した顔で呟いた。
「速い、しかも間合いがだ」
予想していたがだ。
「思った以上だ、これはだ」
彼は瞬時に結論を出した、その結論は。
「強い」
確信した、それでだった。
彼はすぐにだ、二本目に入ると。
間合いを取ってだ、構えを慎重にしてだった。
相手の動きを見た、見れば。
隙がない、少しでも先程の様に迂闊に前に出るとだ。
また脛をやられる、そのことがわかった。それでだった。
田所は今度は待った、栗橋が動くのを。そして動いたその時に攻めることにした。
ここからは持久戦に入った、先に痺れを切らして動いた方が負ける。こうした時田所は待つことが出来た。これもまた彼の強みだった。
しかし栗橋はだ、一本先に取っていたが。
待つことが苦手だったらしくてだ、暫くしてだった。
その薙刀を前に突き出した、それで田所の喉を狙ったが。
薙刀の突きは薙刀が大きく両手に持っているだけに剣道よりわかりやすかった、栗橋はそれまで脛を狙う様に下段に構えていたがそこから動いたので余計にだ。
それでだ、その突きの小手をだった。
田所は打った、これが。
「一本!」
今度は彼が一本だった、これで。
後はお互い一本取ればその取った方が勝利となったが。
ここから二人はお互いが油断ならざる相手と完全に把握したのでだ。
全く動かなくなった、そして。
時間となった、それでだった。
田所は礼の
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