暁 〜小説投稿サイト〜
姉の結婚
第五章

[8]前話
 ブーケトスも終わってだ、静はウェディングドレスのままで良のところに来た。そうしてこう彼に言って来た。
「喜んでくれてるのね」
「うん、おめでとう」
 良は心から姉に祝福の言葉を送った。
「幸せになってくれよ」
「絶対になるわ、それでね」
「それで?」
「今度は貴方よ」
 こう良に言うのだった。
「貴方がね」
「幸せになれっていうんだ」
「そうよ」
 その通りだというのだ。
「いいわね」
「うん、じゃあ」
 確かな声でだ、良は応えた。
「俺もね」
「そうなってね」
「わかったよ、そうするよ」
 良も約束した、その彼に。
 静は今度はだ、こう言ったのだった。
「幸せは皆がなるものだから」
「姉ちゃんだけじゃなくて」
「そう、貴方もね」
「だからなんだね」
「幸せになってね」
「わかったよ」
 笑みを浮かべてだ、良は応えてだった。
 姉に約束した、そして後日。
 結婚を決めてだ、電話で姉に言った。
「式出てくれるかな」
「勿論よ」
 これが姉の返事だった。
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「泣かないでね」
 こう姉に言うのだった。
「笑っていてね」
「お祝いの場だからね」
「うん、そうしてね」
「ええ、わかったわ」
 声を微笑まさせてだ、静は良に答えた。
「その時はね」
「それじゃね」
 自分の結婚式の時のことも言うのだった、そうした話をしてだった。
 良は自分の結婚式でも笑顔だった、そして静も笑顔でいた。そうして今度もお互いを心から祝うのだった。


姉の結婚   完


                     2015・10・23
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ