第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「だから今回も受けるにしても」
「どうもですね」
「今回はおかしな事件ですね」
「事故と言うべきです」
「容疑者達がどう言っても」
「うん、無罪になるよ」
絶対にとだ、メイスンは確信して言った。
「それ以外には有り得ないね」
「では、ですね」
「今回の依頼は」
「確信を以てやっていくよ」
こう言ってだ、実際にだった。
メイスンは証拠、証言、検死結果を全て今回の事件の陪審員達に話した。すると彼等も口々に言うのだった。
「これはです」
「無実ですね」
「どう考えても」
「そうですね」
彼等もこう思うのだった。
「それでどうして」
「容疑者達は犯罪だと言うのか」
「訳がわかりません」
「彼等が撃った訳ではないのに」
「どうしてなのか」
首を傾げさせて言うのだった、そして。
検事も証拠等を全て裁判の場で出した、容疑者達は何も語らない。
メイスンは弁護士として全力を尽くしてだった。裁判において活躍し。
陪審員達はだ、全員がこう言った。
「無罪」
十二人全員がだ、これで裁判は終わった。
しかし裁判の後の話を聞いてだ、ドーバーは話をしたマクレガーに言った。
「自責の念か」
「それにかられてです」
「二人は教会に入ってか」
「奉仕者として暮らすとのことです」
「やっとわかった」
この状況でというのだ。
「彼等が何故自分達を殺人犯と言ったのか」
「自責の念ですね」
「確かに彼等は撃っていない」
このことは間違いないというのだ。
「誰がどう見てもな」
「しかしですね」
「彼等の銃でだ」
「被害者が死んでいますね」
「このことは事実だ、それでだ」
「彼等は自責の念を感じて」
「自首したのだ」
そして自分達を殺人犯と言ったというのだ。
「そうしたのだ」
「それで無罪となってもですね」
「罪を償う為にだ」
「教会に入ったのだ」
「罪の意識はある」
「人には」
「彼等はその意識に従ったのだ」
彼等の良心の中にあるそれにというのだ。
「そうしたのだ」
「そういうことですね」
「このことは仕方ない」
「我々にも弁護士にもですね」
「検事にも誰にもだ」
それこそというのだ。
「我々の仕事は事件の真実を明らかにすることだからな」
「こうしたことまでは」
「仕事ではない、罪の意識への贖罪はその人それぞれがすることだ」
まさにというのだ。
「後は彼等次第だ」
「そうしたことになりますね」
「このことは他の者から見れば不幸な事故だが」
「彼等から見ればですね」
「忌まわしい殺人事件だ」
「そうなったのですね」
「彼等はその罪の償いに入った」
そうなったというのである。
「後は彼等次第だ」
「そうなりますか」
「そうい
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ