暁 〜小説投稿サイト〜
スペースノイド奮闘記
第1話
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[9] 最初
は要塞の砲台群及び艦艇を護衛して、こっちは攻撃を仕掛けることになった。

「小林。敵は2個小隊だ。先に前衛の小隊を叩くから牽制攻撃を頼む」

 デルタ機動で敵の側面に回り込んでいる最中に接触回線で牽制攻撃を頼まれ、俺は反射的に旧ザクを単騎小隊から分離した。ゲームで流行っている典型的なデルタ機動と時間差分離攻撃戦術だ。

 敵を中心に弧を描いて軌道する3機のうち、1機を早めに敵に突撃させて注意を引く。残った2機はそのまましばらく軌道を維持して、角度をずらして敵の側面を攻撃する。

 まあ、普通はプレイヤーが二人居たら最初に分離するのはNPCなんだけどね。

 いずれにせよ俺達の小隊はNPCの人型1機と球型1機。それからプレイヤーぽい人型1機と思われる小隊をあっという間に撃破した。そして・・・



「ジオン公国に栄光あれ」

 同じ小隊のNPCパイロットの悲痛な声がニュータイプ特典により機内に流れた。その直後、俺の旧ザクもやられた。


 後方に居た敵小隊によりによって白い悪魔が居た。ニュータイプの乗ったガンダム様に旧ザクに乗ったニュータイプな俺は俺とNPCは一蹴されてしまった。

 その後は山下の高機動ゲルググの活躍を見守ることになった。双方痛み分けという形で引き上げ、もう一つのジオン小隊も引き分けたので、戦術的には勝利だ。

「山下、おしかったな」

「あのガンダムのパイロットだって同じこと言っているんじゃね」

「かもな」

「こっちは旧ザクまじりだし勝ったようなものだろ。さて、そろそろ家に帰らないと」

 ちなみに俺の撃破ポイントはマイナスだった。もう旧ザクなんぞに乗らん。と内心思いながら俺は山下と同時にログアウトした。そして、これが俺の宇宙世紀生活の始まりとなったのである・・・

[9] 最初


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